オープンソースのMySQLはミッションクリティカルなシステムでも十分に通用する。そのことを強く認識させられたのが、MySQL ユーザコンファレンス 2008での野村総合研究所(NRI) オープンソースソリューションセンターのセンター長を務める寺田雄一氏が紹介した金融機関向けシステムへの導入事例である。
基幹システムへのMySQL導入のポイント
NRIはオープンソースソフトウェア(OSS)によって高品質な業務システムを構築するワンストップサービス「OpenStandia」を展開している。この日紹介されたのは、金融機関の基幹データベースとしてMySQLを活用した事例だ。資金管理や約定管理などを行うシステムであり、性能要件は200件/秒、データ量は1テラバイトで、さらに障害発生時には10分以内での復旧が必要となる。
このようにミッションクリティカルなシステムだが、システムコストを適正化したいという要求から、MySQLの採用を検討したという。
寺田氏はMySQLのメリットとして「シンプルなアーキテクチャ」「理解しやすい」「設計が容易」「圧倒的なコスト削減」などを挙げた上で、最終的には次のような理由により採用を決定したと語っている。
- 投資額を最少化した上で将来拡張できるようにするというプロジェクトの基本方針に沿っている
- 設計、導入を短期間で行うことができる
- OpenStandiaのワンストップ・サポート・サービスによりサポート面は十分期待できる
- 新しいことに挑戦する価値
とはいえ、基幹DBなので失敗は許されない。そこでMySQLが性能要件や信頼性要件を満たすことができるのかを、事前のフィジビリティスタディ(実現可能性検証)によって慎重に確認。性能面、機能面ともに十分に耐えられると判断し、採用を決定したという。