グローバル市場で生き残りをかけるヤンマーでは、アフターセルフサービスの分野で優位に立つことがその絶対条件としている。そうした同社は、顧客へのサービス向上を図って顧客の満足度を上げるため、早急な部品供給網の構築とさまざまなサービスを展開しており、グローバル物流の可視化もその重要なファクターになっていると説明している。
ヤンマーが採用したLogistics Visibilityは、GXSが提供する企業間電子取引(BtoB)などのグローバル基盤である「GXS Trading Grid」(Trading Grid)のコンポーネントになる。Logistics VisibilityはSaaS形式で提供されるが、取引先とのネットワーク/取引を含むサプライチェーンを可視化、ブラウザベースで一元管理することができる。
またLogistics Visibilityを活用することで、常に変化するユーザーの需要への対応、在庫切れ防止、販促計画の効率化などが可能になり、売上高の最適化を実現できるとGXSでは説明している。荷物の到着予定自動更新(ダイナミックETA)、荷物の通関での状況、受発注にひも付いた輸送状況の管理などの必要な輸送中貨物に関する状況を把握できる用になっているとしている。
Logistics Visibilityの基盤であるTrading Gridには4万超の企業がすでに参加しており、Trading Gridに接続されていることから、輸送品の輸送貨物状況をタイムリーに把握できるとともに、正確な納期情報が容易に確認できるようになっている。また、SaaS形式であることから、輸送貨物の情報を、自社の海外特約店向けシステムと連携させて利用することができるようになっている。
通常のSCMを自社で構築した場合、物流業者とのネットワーク構築・接続に1社あたり数カ月から2年程度かかる見込みだった。それに対して、ヤンマーで採用されたLogistics Visibilityの場合、輸送業者数社との接続を6カ月で完了できる予定になっているという。また、ユーザー企業に専門スタッフを置く必要もないことから、開発・導入・運用・コストや手間を大幅に削減できるとしている。
Logistics Visibilityを含めたGXSのサービスは、使用量課金による価格体系となっている。Logistics Visibilityの場合、取引先とのコネクションの数、トランザクション量などで料金が決められている。