Mozillaは、ユーザーインターフェースプロジェクト「Ubiquity」の新版に向けたロードマップ案を発表した。Ubiquityは、ユーザーが作成したショートカットをウェブ上の情報とマッシュアップすることを目指すものだ。この計画では、インターフェースの徹底的な見直しのほか、UbiquityをMozillaの「Firefox」および「Thunderbird」と統合し、さらにユーザーのデスクトップとも統合するという、大きな目標を掲げている。
Firefoxの場合、早ければバージョン3.2(2009年中にリリース予定)の時期に、Ubiquityとの統合が(テスターだけでなく)誰でも利用できるようになる見込みだ。ロードマップによると、Firefoxはアップグレード時にUbiquityの機能をロケーションバーの「Awesomebar」に組み込むので、ユーザーはオンとオフを切り換えるための新しいキーボードショートカットを覚える必要がないという。
ここで十分注意すべきなのは、どんなFirefoxの実装であれ、セキュリティ上の理由からサードパーティのコマンドを許可していないことだ。これはたとえば、「Gmail」の新規メールをアドレスバーから直接タイプして書き始めることはできないことを意味する。このような場合、ユーザーはFirefox専用のショートカットと関連づけて、Ubiquityでサードパーティのコマンドを利用する別のインスタンスを使うことが求められる。
Mozillaの電子メールクライアント、Thunderbirdについては、Ubiquityとの統合でメールボックス内の検索および管理の方法が変わる可能性がある、とMozillaは期待している。ロードマップによると、「ウェブメールに勝る魅力的な利点を提供できるようThunderbirdを拡張する」必要があるという。そうした利点に、ユーザーのシステムファイルやアプリケーションとの本格的な統合が含まれるかもしれない。この統合により、添付ファイルの検索や添付が、アプリケーションを離れることもなければ、ポップアップメニューから入れ子になったフォルダを辿って探し回ることもなく、ほんの数回のキーストロークで可能になるかもしれない。UbiquityにThunderbirdと同じコマンドフィードサブスクリプションのセットを共有させるとの記述があることから、いずれか一方のアプリケーションで新しいフィードを登録すれば、バックグラウンドで自動的に転送されることになりそうだ。
いくつも提案されている項目のなかで、最も大きな可能性を秘めているのは、ユーザーのデスクトップとの統合だ。これは、Ubiquityをブラウザという囲いの中から外へ出し、他のアプリケーションにおけるユーザーのワークフローへ組み込むことになる。これは提案の中でも特に説明が少ない部分だが、「Quicksilver」(Mac用)や「Enso」(Windows用)など、既存のランチャーサービスに適宜実装していく、との記述がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ