#5:Compiz/Compiz Fusion
Compizについて語る際、完成度の高い、目を見張るような3Dデスクトップを抜きにすることはできないだろう。Compiz/Compiz Fusion(これらは実際には2つの異なるプロジェクトである)は、(1)対応ハードウェアが手元にあり、(2)友人や家族を感心させたいと心から願っている場合にインストールするデスクトップである。CompizはLinuxにおける3Dデスクトップの元祖とも言える存在である。Compiz FusionはCompizと、今は活動を停止しているBerylプロジェクトの成果物を統合したものである。CompizとCompiz Fusionのプロジェクトはいずれも、Mac OS Xに搭載されている一部の機能を模倣しているものの、それらを新たな高みへと引き上げている。
CompizおよびCompiz Fusionにおける最も驚くべき機能の1つがCubeである。Cubeはデスクトップを3次元の立方体(キューブ)に貼り付けることで、Linuxにおけるページャ(複数のデスクトップを管理する能力)のメタファを実装しているのだ。マウスの中央ボタンをクリックすることでデスクトップキューブをズームアウトさせ、作業を行うデスクトップが前面に来るよう回転させることができるのだ。これに加えてキューブ(およびデスクトップ上のすべてのもの)を半透明にする機能により非常に印象的なデスクトップを構築することができるのだ。
Compizのインストールは心臓の弱い方にはお勧めできない。これには数多くのピースをまとめ上げ、AIGLXをサポートしたビデオカードと忍耐が必要となるのだ。しかしこのクールなデスクトップを手中に収めることで、費やした時間と労力は報われるはずだ。インストールに時間を割きたくない場合には、最新のMandrivaか最新のopenSUSEを試してみることができる。適切なハードウェアがあれば、インストールするだけで3Dデスクトップが動作するようになっているはずだ。
#6:IceWM
IceWMの開発者らはこの軽量ウィンドウマネージャが他のウィンドウマネージャからのコードを一切使用していないという事実に誇りを持っている(すべてC++言語を使用して記述されている)。IceWMはGNOMEに準拠させることができ、グラフィックスのサポートにlmlibを使用することもできる。IceWMは飾り気のほとんどない極めてストレートなウィンドウマネージャである。このデスクトップはパネルとスタートメニュー、システムトレイ、ページャだけで成り立っている。IceWMは標準的なウィンドウマネージャと同程度の設定が可能となっているものの、その見た目はEnlightenmentやAfterStepほど魅力的なものとはなっていない。とは言うもののEnlightenment DR16とは異なり、IceWMでは設定をGUIでまとめて行うことができるようになっている。IceWMはコマンド(例えばFedoraでは「yum install icewm」)などを使用することで容易にインストールすることができる。
#7:Window Maker
もう1つのNeXTベースのウィンドウマネージャであるWindow Makerは、NeXTの優れた点を受け継ぎ、FVWMの轍を踏まないようにしたものである。Window Makerはもう1つの軽量、超高速、高安定性を誇るLinuxのウィンドウマネージャである。これはミニマリズムに則るアプローチを採っているものの、ほとんどの画像形式をサポートし、ドラッグして画面上に固定できるスライド式のアプリケーションメニューを備えている(サブメニューを切り離してデスクトップに固定し、明示的に閉じるまでそのままにしておくこともできる)。設定変更はすべて即座に反映される。Window Makerはアプリケーションをローンチできるドックを備えているものの、Mac OS Xのように影がついていたり、アイコンが飛び跳ねたりするということはない。Window Makerはコマンド行からインストール(Mandrivaでは「urpmi windowmaker」)したり、Synapticのようなパッケージ管理ツール内で見つけることができる。