不況に強いITを目指す--コスト意識の高さが要求される時代のアドバイス

文:Andy McCue(silicon.com)  翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2008-11-25 08:00

 不況の兆しが見え隠れする今という時期は、減量経営の必要な時期でもある。そこで本記事では、ITの費用対効果をできる限り向上させるためのティップスを紹介している。

 われわれは不況の時代に向かって進んでいる--これは英政府も認めていることである。

 Gordon Brown首相がついに「不況」という言葉を口にした。また公式統計でも、英国経済が1992年以来初めて3カ月間連続で縮小した(7〜9月期)ことが示されている。翌四半期(10〜12月期)も縮小が続けば、英国は統計的に見ても不況入りということになる。とは言うものの、多くの個人や企業は既に不況の影響を実感し始めている。

 大手調査会社であるForrester Researchの最近の調査によると、企業の43%が既に、予想される景気の減速に備えて全体的なIT予算を削減しているという。そして、この数値は今後増加するはずだ。

 では、不況の時代にITの運用コストを削減するにはどうすればよいのだろうか?以下に5つの方法を挙げる。

#1:サプライヤーに協力してもらう

 ITコストを削減するうえではまず、サプライヤーとの契約を見直すことから始めるのが良いだろう。Forrester Researchによると、最高情報責任者(CIO)の3分の2以上(70%)がより低い価格でベンダーと交渉を行う予定であるという。

 M and M DirectのITディレクターであるGraham Benson氏は「サプライヤーと顧客の関係を見た場合、不況の圧力が高まることで購買側の力が大きくなる。このため、既存のサービスや製品の契約をすべて見直し、再入札を行うことで、より有利な条件で契約できるようになることも多いのだ」と述べている。

 Independent Police Complaints CommissionでITおよび設備にかかわる部門の責任者を務めるSteve Gediking氏は、特にサービスのレベルや提供時間帯を見直し、不要なコストを削減するようにすべきだとアドバイスしている。

 「ちょっとした点を見直すだけでコストを削減できるということに驚くはずだ。また、電話代もコスト削減の対象である。契約している通話プランは現状に合っているだろうか?適切な料金体系のプランに加入できているだろうか?」(Steve Gediking氏)

 また、サプライヤーに対する協力要請は臆するべきことではない。

 British SugarのIT担当責任者であるNeil Hammond氏は「サプライヤーに対して、どのようにコスト削減に協力してもらえるのかを相談してみるべきである--サービスレベルは下がるものの、より安価な提案をしてくれるかもしれない。詰まるところ、優れたサプライヤーであれば多少の損失を伴ったとしても顧客を繋ぎ止める道を探ろうとするはずなのである」と述べている。

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