不況に強いITを目指す--コスト意識の高さが要求される時代のアドバイス - (page 2)

文:Andy McCue(silicon.com)  翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2008-11-25 08:00

#2:契約社員を削減する

 不況により余剰人員が発生することもあるだろう。そういった場合、CIOは人員削減の対象として正社員ではなくまず契約社員に目を向けるべきである。Forrester Researchの調査によると、CIOの57%が現在の経済情勢において契約社員の数を削減したいと考えているという。

 Hammond氏は「契約社員の削減こそが迅速な対策なのだ。正社員を辞めさせて契約社員の雇用を継続するようなことをすべきではない。また、退職者が出たからといって安易に人員を補充してはいけない--重要なポストに空きができる場合には、社員たちが相互に教育や訓練を実施する機会を設けたり、(おそらく高い給与が必要となる)社外の人材で補充するのではなく社内の人材を起用するべきである」とアドバイスしている。

#3:標準化を推し進める

 さまざまなタイプのノートPCや携帯電話を仕事に利用できるようにすることで、それらを使う側の満足感は高くなるものの、ITという側面から見ればより複雑になり、コストも高くなる。アプリケーションに関しても同じことが言える--不況の時代にあっては選択肢を限定すべきなのである。

 英国原子力公社で情報サービスおよびテクノロジの部門責任者を務めるChris Broad氏は「多様性を認めることでコストが高くなるため、標準のものを強制し、選択肢を制限すべきである」と述べている。

 コストを削減するもう1つの方法に、重複したアプリケーションやシステムを整理して合理化するというものがある。British SugarのHammond氏は「これは、標準化を推し進め、アプリケーションポートフォリオを総合的に削減する良い機会である。これを成功させる鍵は、コミュニケーションと適切な問題意識にある」と述べている。

#4:エコ化を推し進める

 エコ化を推し進めるということは、地球を救うということだけを意味しているわけではない。燃料費と電気代が高騰するなか、エネルギー消費量の大きいIT運用コストという経済的な観点から見てもこれは理に適っているのである。

 Ecotec Research & ConsultingでIT責任者を務めるDavid Supple氏は「シンプルだが効果的な言い回しがある--Reduce、Reuse、Recycle(3R:廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用)だ!」と述べている。

 また、これは全社的に行う大々的な取り組みだけに限らない--小さな取り組みでも大きな影響を与えることが可能なのである。Hachette Filipacchi UKのITディレクターであるNic Bellenberg氏は「PCの電源を夜間にオフにするようにしておくか、少なくともスリープ状態にしてディスプレイの電源を切っておくようにするべきである。そして、オフィスの照明も夜中など不要な時間には消すようにするべきである。また、私の環境に関して言えば、サーバルームの照明を1日24時間ずっとつけっぱなしにしておかないようにするということもある」とアドバイスしている。

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