オバマの勝利とグローバリゼーション
米国でオバマの優勢が伝えられた時、その支持者に多く含まれる若者は実際には投票行動を取らないだろうと言われた。また、黒人であっても支持するというポーズを取りながらも、やはり実際には投票しない白人がいると言われた。しかし、実際にオバマが勝利した背景には、ネット世代の影響力が予想以上に大きいことと、特にその世代においてはマイノリティに対する偏見が少ないことがあると考えられる。
タプスコットによれば、調査を実施した12カ国においてネット世代は驚くほどに似た特徴を示したという。同氏も著書の中でトーマス・フリードマンの『フラット化する世界』『フラット化する世界』にも触れているが、ネット世代をして真の意味で最初のグローバル・ゼネレーションであると定義している。ネットによりグローバルなコミュニケーションが容易になる中で、人種に対する偏見は米国だけではなく世界のネット世代全体において低下しつつある可能性がある。
我々に理解できるか
ネットを後天的に学んだ私も属するGeneration X以前の世代は、確かにこのインターネット・テクノロジーを使いこなしているかもしれない。そして、Web2.0を議論しているかもしれない。しかしながら、これをテクノロジーとは認識しない世代がどのような思考パターンをするのか、分かったつもりになっても、決して分かることは出来ないだろう。そして、彼らが”Web2.0”を議論することはないだろう。それゆえに、ドン・タプスコットの行った調査には敬意を払う必要がある。
ドン・タプスコットは、ネット世代が示す特徴のキーワードとして次の8つの言葉を挙げている。
- Freedom
- Customization
- Scrutiny
- Integrity
- Entertainment
- Collaboration
- Speed
- Innovation