#8:アクセス権を理解していない
アクセス権は管理者の生活を簡単なものにしてくれるが、下手に使われると、ハッカーの生活を簡単なものにしてしまうこともあり得る。アクセス権を扱う一番わかりやすい方法は、rwxを使った方法だ。r=read(読み出し)、w=write(書き込み)、x=execute(実行可能)を示す。例えば、あるユーザーがファイルを読み出し可能だが書き込みはできないようにしたいとしよう。この場合、chmod u+r,u-wx filenameというコマンドを実行すればよい。馴れないユーザーがあるファイルへのアクセス権がないというエラーを見て、この問題を避けるためにchmod 777 filenameに類するコマンドを実行するというようなこともよくある。しかし、このコマンドはファイルに実行可能のアクセス権を付与してしまうため、実際にはより多くの問題を引き起こしてしまう。次のことを覚えておいて欲しい。777はそのファイルにすべてのユーザー(root、group、その他のユーザー)にrwxのアクセス権を与え、666はすべてのユーザーにrwのアクセス権を与え、555はすべてのユーザーにrxのアクセス権を与え、444はすべてのユーザーにrのアクセス権を与え、333はすべてのユーザーにwxのアクセス権を与え、222はすべてのユーザーにwのアクセス権を与え、111はすべてのユーザーにxのアクセス権を与え、000はすべてのユーザーのアクセス権をなくす。
#9:rootユーザーとしてログインする
これは十分に強調しておかなくてはならない。rootではログインしないこと。もしroot特権でアプリケーションを実行したり設定したりする必要があれば、通常ユーザーのアカウントから、suコマンドでrootになればよい。なぜrootでログインしてはいけないのだろうか。通常ユーザーとしてログインし、すべてのXアプリケーションを実行した場合、それらのアプリケーションはそのユーザーのシステムにしかアクセスできない。rootとしてログインすると、Xはrootのすべての特権を持つことになる。これは、2つの問題を引き起こす可能性がある。1)GUIを使って大きなミスを犯すと、システムに壊滅的な打撃を与えてしまう可能性がある。2)rootとして実行されているXは、システムをより脆弱にする。
#10:ログファイルを無視する
/var/logが存在するのには理由がある。これは、すべてのログファイルを収めておくための場所だ。これによって、問題が起こった時にどこを見ればいいかが覚えやすくなっている。セキュリティの問題が起きている可能性があれば、/var/log/secureをチェックするといい。私が必ず最初に見る場所の1つは、/var/log/messagesだ。このログファイルには、すべての一般的なエラーなどが記録されている。このファイルを見れば、ネットワークやメディアの変更などに関するメッセージを見ることができる。マシンを管理する際には、logwatchなどのサードパーティアプリケーションを使えば、/var/logのファイルに基づくさまざまなレポートを作成することができる。
問題を回避する
上記の10の間違いは、新米のLinux管理者にはよくあることだ。これらの落とし穴を避けることで、Linuxへの移行の儀式は早く進み、また、ずっとよい管理者になれることだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ