事業拡大にあわせてJSCは、順次コールセンターのインフラ拡大を図ってきており、2004年1月には大阪センターを開設。2006年には東京センターの移転にあわせて、コールセンターの中枢システムとも言える構内交換機(PBX)基盤を、日本アバイアのデジタルPBXソフト「Avaya DEFINITY Server」からIP-PBXソフトウェア「Avaya Communication Manager」(ACM)を核にしたIP電話システムを導入して、顧客からの電話注文に柔軟かつ迅速に対応できる体制を完成させている。
「クオリティとコストの2つが決め手でした」と言うのは、カスタマーケア企画グループ長でシニアマネージャーの菅原大介氏だ。

「1日の間で、コールの山と谷が非常に激しいのです。それに合わせてフレキシビリティを持って人的リソースを確保することが重要と考え、自社でシステムを持つことが必要と判断したわけです。当時の親会社でもあり、ビジネスモデルでもあった米国のHSNもアバイアを使っていましたし、当時、アバイアを選択するのは当然といえば当然の結果でした」
ホームエージェントを取り込む仕組み
現在、電話注文を受けるオペレーターは、東京都と大阪の両センター合わせて約700人。しかしもちろん、オペレーター全員が常時張り付いているわけではなく、コールの増減に合わせて激しく増減する。
コールのピークは夜中の0時過ぎという。0時からはその日一番のお買い得品を販売するショップ・スター・バリュー(SSV)を放映。当然、その時間帯に電話が集中する。

それに合わせてオペレーターを配置するのだが、ここで威力を発揮するのがホームエージェントだ。ホームエージェントは、在宅でコールセンターと同じ対応ができるシステムを活用する。このホームエージェント環境は、同社のコールセンターのオペレーターとほとんど同じものをPC1台で実現。在宅で対応しても、あくまでコールセンターのPBXからの1エージェントとして見えている。それを実現しているのが、アバイアの「Avaya IP Agent」である。コールセンターにある電話機の機能をすべてPC上で実現している。
「午前0時から1時までが一番入電があるのですが、この時間帯にオペレーターをアサインするとどうしても朝まで張り付かせなければならないという状況があるわけです。しかし、午前2時以降は入電も少なくなりますので、帰宅できる午前6時ごろまではどうしてもオペレーターを遊ばせてしまうということになるのです。そこで、このIP Agentによるホームエージェントによって、不要な時間帯のオペレーター・コストを削減できたらよいと考えたわけです」
