テレビ通販はリアルタイムが命
商品の販売状況は、リアルタイムで把握できるようになっている。
これをサポートしているのがアバイアの分析システム「Call Management System」(CMS)だ。待ち呼の状況やエージェントの通話状況を6秒間隔で見て、的確に状況に対応できる体制を支えている。さらには、ACMが予測待ち時間(Expected Wait Time:EWT)を判断する機能も活用している。コール数が多いために、オペレーターが応対するまでの時間がかかりそうな時は、電話をかけている顧客に対して、自動音声応答装置(Interactive Voice Response:IVR)での利用を奨めるといった具合だ。IVRを利用する顧客は、自身で注文を完結できるようになっている。
こうした対応によって、電話がかかってきているのに受注できないという事態、いわば機会損失を低減させることにJSCでは成功しているのである。
「当社の受注オペレーションは、生放送連動というのが一番のポイントです。そのためにも、コールセンターのみならず、全社的に絶えず入電の状況をリアルタイムで見られるということが大切なのです」
常に、入電数や待ち呼の数、IVRの稼動状況、商品の在庫数など販売に関するオペレーションの状況を全てリアルタイムで管理している。それが同社のビジネスの基盤になっているということだ。
顧客のニーズをいかに掴み、顧客が欲しいと感じているときに、いかに素早く提供できるか、というのはテレビ通販を含めた小売業の重要なポイントだ。そうした視点から見てJSCが稼働させるシステムのリアルタイム性は、小売業における理想形と指摘できる。
もちろん小売業では、販売する商品そのものがいかに魅力的かという仕入れ段階での施策も重要だ。しかし、同社が2004~2006年度に前年度比29~51%という驚異的な成長を成し遂げた背景には、こうしたシステム面での貢献があったからと分析しても言い過ぎではないだろう。
