Googleは心理的臨界点を超えたのか? - (page 2)

飯田哲夫(電通国際情報サービス)

2008-12-24 10:00

オープンかクローズか

 Googleは本来、オープンなイメージを持つ企業である。まずもって、検索という基幹となるサービス自体が、情報の可視化を支援する機能を持つ。また、Googleから提供されるアプリケーションの多くは、誰でも無償で利用することが出来て、公開されているAPIを通じて自分のアプリケーションに取り込むことも出来る。オープンソースの積極活用でも有名だ。

 一方で、Googleはその秘密主義でも知られてきた企業である。電子メールサービスから、ストリートビューまで、非常に個人の生活に近いところまで入り込んでいるだけに、一度ユーザーの警戒心に火が付くとそのテンションは一気に高まる可能性がある。

臨界点

 ネットワークをベースとしたサービスは、ネットワーク効果が非常に高く、他のサービスへの切り替えが困難だ。特に、集約された情報が付加価値を持つ場合、ユーザーはその利便性から逃れることが難しい。しかし、そのサービスを自らの選択で行っているという感覚と、それを強制されているという感覚は紙一重である。例えばAmazon.comに自分の好みを教え込めば、より適切な商品を紹介してくれるから便利だ。しかし、Amazon.comは、我々に商品を買わせるために、我々に自分たちの好みを教えるよう仕向けているともいえる。要は、我々が主体性を持っているという感覚があるか否かで、全然見え方は変わって来る。

 TechCrunchによると、Facebookはサイト滞留時間においてGoogleに迫る勢いを見せているという。FacebookというGoogleの検索が入り込めない世界が拡大することは、Googleにとっては脅威である。Googleはビジネス領域の拡大を目指しているものの、その主たる収益源は今も広告である。もしもGoogleが今までのような勢いでの成長が困難になるのであれば、Googleもこれまでに築き上げた資産の上で収益を上げざるをえないだろう。そんな状況下でGoogle Packのデフォルト・ブラウザーがGoogle Chromeというのは、ちょっと嫌かもしれない。

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