#6:クラウドコンピューティング
この予想については、可能性の薄い「もしも」という前置きを付加しておきたい。「もしも」クラウドコンピューティングが確固たるものになるのであれば、Linuxがその道を開くことになるだろう。Linuxには、サーバエンドにもクライアントエンドにも、確固たるクラウド環境を作り上げるために必要なツールがすでに(かなり前から)揃っている。Linuxはこの点において、常にMicrosoftの先を歩んできたのである。そして、クラウド(雲)がメディアの予想通りに実際にストーム(嵐)になるのであれば、Linuxは多くのメリットを享受できるだろう。私自身は、クラウドコンピューティングが実際に登場したと断言するにはまだ少しためらいを感じている。とは言うものの、Amazonはすでに、Linuxを用いたクラウドコンピューティングサービスのベータテストを終了させている。
#7:OpenOffice 3
OpenOffice 3は、2009年に普及が大きく進み、Microsoft Officeのシェアをかなり奪うことになるだろう。OpenOffice 3では、エンタープライズ向けの新機能が数多く提供されている。とは言うものの、実際に普及を後押しすることになるのはこういった新機能ではない。現在のような経済状況において、企業はコストを削減するために、ありとあらゆる施策に取り組んでいる。すぐに効果をもたらし、痛みを伴わないコスト削減策としてオフィススイートの見直しがある。Microsoft OfficeとOpenOfficeはそれほど違ったものではないという事実が一般的なエンドユーザーに認知され始めると、その流れは加速されることになるだろう。OpenOfficeの普及を妨げている原因の1つとして、認知度の低さを挙げることができる。Microsoft Officeの代替となる無償製品があるということを知った人々は、それを利用するようになるはずだ。
#8:Enlightenment
この項目は少しマイナーであるが、挙げずにはおられない。私は2009年に、Enlightenmentデスクトップ開発者らがようやくE17を安定版として後押しするようになると信じている。あなたがEnlightenmentウィンドウマネージャ(ところで、これは私の最も好むウィンドウマネージャである)の動向を追いかけきているのであれば、E16の全盛時代が長く続き、E17は不安定な開発ブランチという地位に長い間甘んじてきたということを知っているだろう。しかし2009年には、E17の安定バージョンがリリースされることになるだろう。とは言うものの、私はE16もこのまま使われ続けていくことを望んでいる。EnlightenmentのE16バージョンは、Linuxに対する憧れのあった時代から使われ続けている愛すべき製品なのだ。Enlightenmentに関しては「私が現在使っているこのデスクトップは、当時使っていたものと同じものである」と今でも言うことができるのだ。このため、E17が2009年に安定バージョンになろうとも、私はE16がいつまでも使われ続けることを望んでいるのである。