バルセロナ発--多くのスマートフォンで「Adobe Flash Player」の完全版がもうすぐ利用できるようになる。だが、残念なことにAppleの「iPhone」はその中に含まれていない。
AdobeはバルセロナのGSMA Mobile World Congressにおいて現地時間2月16日、PC上で動作するFlashの完全版「Adobe Flash Player 10」が、「Windows Mobile」や、Googleの「Android」、Nokiaの「S60」と「Symbian OS」、Palmの新しいOSを使用しているスマートフォンで利用できるようになると発表した。Flash Player 10を搭載したデバイスは、2010年の早い段階で市場に出回るとみられている。
Adobeでは、携帯電話のためのFlashテクノロジの簡易化に何年間も取り組んできた。同社の幹部によると、現在出荷されているすべての電話のうち、およそ40%にFlashテクノロジの簡易版が使用されているという。しかし、「Adobe Flash Lite」では、同テクノロジのデスクトップ版Flash 10と同じ機能は提供されていないため、携帯ユーザーはそうした機能を使用することができない。
2008年11月にサンフランシスコで開催されたAdobe Maxカンファレンスでは、同社の最高技術責任者(CTO)であるKevin Lynch氏が、Adobe Flash Player 10の完全版をスマートフォンで使用できるようにすると参加者に述べた。
Adobe Flash Player 10は2010年の早い時期にほとんどのスマートフォンで利用できるようになるが、iPhoneユーザーは待たねばならない。しかし、Adobe幹部はiPhoneでも利用できるようになると述べている。
Adobeのテクノロジ・ストラテジー・アンド・パートナー・デベロップメントのディレクターであるAnup Murarka氏は、「iPhoneでも利用できるようにしたいが、新しいテクノロジへの対応の時期と方法を決めるのはAppleだ。われわれは引き続き取り組んでいく」と語った。
Adobeの最高経営責任者(CEO)であるShantanu Narayen氏は、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで2月にBloombergニュースサービスに述べたコメントで、iPhoneで正常に動作するFlashのバージョンを見つけるのにAdobeが技術的な困難に直面していることを示唆していた。しかし同氏は、両社は引き続きこの問題に取り組んでいると述べている。
「技術的に難しい作業である。それゆえにAppleとAdobeは協力して作業している」とNarayen氏はBloomberg Televisionに語っている。「われわれの動きが求められている。これを提供するのはわれわれの責務だ」(Narayen氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ