#9:直訳
英語以外の言語に言及したところで、翻訳にまつわる注意点についても書いておくことにしよう。直訳には注意する必要がある。ある言語における慣用的な表現を、他の言語にそのまま1語ずつ翻訳していくと、まったくもって間抜けな文章になってしまうことがあるのだ。例えば、ドイツの政治家であるハインリッヒ・リュプケは、英国女王エリザベス2世を歓待するコンサートの席上で"Equal goes it loose."(それは等しく緩くなる)と言ったことがある。リュプケは女王に、まもなく演奏が始まるということを伝えたかったのだが、ドイツ語の"gleich geht es los"を直訳したためにおかしな英語になってしまったというわけだ。あなたもある言語の慣用句を1語ずつ翻訳してしまうと、おかしな表現を口にすることになってしまうかもしれないのだ。
#10:情報提供のための電子メールなのか、依頼のための電子メールなのか?
野球で、バッターが左中間に外野フライを打ったと考えてほしい。この時、レフトとセンターが互いに譲り合ってしまい、グラウンド上にボールが落ちるということがある。元ヤンキースの選手であり、野球解説者でもあったフィル・リズート氏はこういったプレイを漫画の主人公2人を引き合いに出して「アルフォンスとガストン」と呼んだ。アルフォンスとガストンは、過度に礼儀正しいフランス人であり、漫画の中ではいつもお互いに「お先にどうぞ」と言い合っているのである。
何らかの作業を依頼するための電子メールを複数の宛先に送信するという場合、その依頼内容を実行する人物を明確にしておくべきである。また、そういった人物のメールアドレスは、「CC」欄ではなく「宛先」欄に記述しておくべきである。「CC」欄に記述してしまうと、その電子メールが情報提供の目的で送信されたものだと考えられてしまう可能性もあるためだ。また、何らかの依頼を行う場合には、それを実行してもらいたい人物を明記しておくべきである。そうしなければ、受信者それぞれが、(「アルフォンスとガストン」のように)他の担当者の責任であると考えてしまう(あるいは思い込んでしまう)こともあり、その場合には何も実行されないという結果になってしまうのである。
#11:ショウカイ(reference)?
提案依頼を行う場合や、提案依頼に回答する場合、「ショウカイ」(reference)には気を付ける必要がある。名前や連絡先のリストといった「照会先」(reference names)なのだろうか?それとも「紹介状」(reference letter)なのだろうか?いずれの場合であっても、明確にしておくべきである。あなたがベンダーである場合、誤ったものを提出することで商機を逸したくはないはずである。また、あなたが提案を依頼する立場である場合も、不明確であったことについて苦情を申し立てられたり、訴えを起こされたりしたくないはずである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ