Bit-tech.netは米国時間2月18日午前、Intelが「Nehalem」(「Core i7」)シリーズのデスクトッププロセッサをサポートするマザーボードチップセットの製造および販売権をめぐって、NVIDIAを提訴したと報じた。
両社の争いは2008年5月以降、沈静化していたものの、その後、Nehalemが市場に投入され、これまでのところ正式に対応するチップセットを製造してきたのはIntelのみとなっている。
われわれは18日午前、NVIDIAの広報を統括するDerek Perez氏にインタビューを行った。Perez氏は、今回の訴訟の本質や同社の対応などについて、明快に説明してくれた。実のところ、Intelは、Nehalem対応のチップセット製造を中止させるべく、NVIDIAに対する差止め命令を求めているという。
Perez氏は「われわれは約4年半前に、Intelとクロスライセンス契約を締結した。現在、基本的にIntelは、このクロスライセンス契約が、とりわけ、DMI(Direct Media Interface)と呼ばれる次世代バスインターフェースには適用されないと主張している(DMIとはNehalemのCPUとシステムメモリを結ぶ、Nehalem対応チップセットの新たな機能である)。いまやIntelは、DMI関連の革新的な技術開発を阻止することを主な目的として、われわれに対する差止め命令を求めている」と語った。
「われわれは、Intelから取得しているライセンスが、特にDMIのような統合メモリコントローラを搭載するIntelのCPUに対応したチップセットの開発を、今後もサポートするものになると確信している。PCは現在、CPUベースのプラットフォームであると同様に、GPUベースのプラットフォームにもなり始めている、Intelは、この避け難い変化を先延ばししようとしている。Intelは、(GPUへのシフトという)この流れを遅らせるべく、あらゆる手段を用いる意向であるが、そもそもこれは、GPUの重要性を、Intelも認めている証拠である」(Perez氏)
Perez氏の発言が事実であることは、NVIDIAが、今回の訴訟に関して発表した公式プレスリリースでも裏付けられている。
NVIDIAの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJen-Hsun Huang氏は、「これまで交渉を進めてきたように、(Intelから取得している)ライセンスが引き続き適用されることを確信している。この問題の中心にあるのは、自然な経過として、CPUの役割が変化してきており、PCのカギを握る存在として、GPUへのシフトが急速に進んでいる点である。今回の訴訟は明らかに、衰退するCPU事業を保護すべく、革新性を抑え込もうとする挑戦である」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ