ブロックとファイル、FCの重要性--ストレージネットワークの基礎を抑える(後編)

辻 哲也(ブロケード コミュニケーションズ システムズ) 2009年03月03日 08時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前編はこちらです

SANとFCプロトコル

 FCは、米国規格協会(American National Standard Institute:ANSI)の下部組織である「National Committee of Industrial Technology Standards(NICTS)」の中の「T11委員会」で、1988年に規格化が開始された、シリアル伝送方式の標準ネットワークアーキテクチャである。1994年に主要部分の規格化が完了したが、現在でも新しい規格が続々と策定されている。現在は、サーバとストレージの間、つまりSANのプロトコルとして一般的に使用されている。

 もともとFCは、コンピュータとストレージ間の接続距離を延長する目的で策定された。ただ、当初から1秒あたりギガビットクラスの通信速度を前提としており、後述するように多くの通信プロトコルをサポートできるように作られている。FCプロトコルは、5つの階層から構成されている(図4)。

図4 図4:FCプロトコル階層
※画像をクリックすると拡大して表示されます

  • FC-0層は物理層で、ケーブルの種類やシグナリングの標準など、物理インターフェースに関して規定している
  • FC-1層では8B/10B符号化方式と「オーダードセット(Ordered Set)」と呼ばれる40ビットの構文に関する規定が存在する
  • FC-2層はFCフレームの生成や、フロー制御の仕組みなどを規定している。FCでは「フレーム」がデータ転送の単位であり、可変長であるFCフレームの最大長は2148バイトである(図5)。フロー制御の仕組みとして、FCでは「クレジット」ベースのフロー制御を採用している(図6)。クレジットベースのフロー制御では、「受信バッファ」であるクレジット値をあらかじめ(ログイン時に)送信側と受信側ポート間で交換しておき、送信側ポートはクレジットが0になるまでフレームを一度に送信する。これは、受信側ポートでバッファ不足が起こらないように、送信側ポートでフレームの送信数を調整しているということを意味している。これにより、FCでは受信バッファ不足が原因でフレームが損失することを防止している。この「フレームの損失を防止できる」という点はストレージトラフィックを処理するうえで非常に重要であり、ぜひ注目していただきたい
  • FC-3層は暗号化や認証など、一般サービスを規定する層である
  • FC-4層は上位プロトコルとの「マッピング(対応付け)」層で、この層の存在によって、FCの上位でさまざまなプロトコルを稼動させることができる。現在最も使用されているのは、SCSI(厳密にはSCSI-3)プロトコルとのマッピングプロトコルである「FCP(Fibre Channel Protocol)」だが、IPやATM(Asynchronous Transfer Protocol)など、さまざまな上位プロトコル向けのFC-4プロトコルが規定されている
図5 図5:FCフレームの構成
※画像をクリックすると拡大して表示されます

図6 図6:FCのフロー制御(クレジットベース)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
クラウド基盤

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つ
    プレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

  • 【3/31まで早期割引受付中!】「IBM Watson Summit 2017」開催

    日本IBMが主催する最大の国内総合イベント。テクノロジー・リーダーの疑問を紐解く「企業IT、セキュリティー、モバイル、データ解析などの進化を探る」詳細はこちらから!

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化