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イマイチだった晩飯をもっとウマく!--プロセス志向でカイゼンしてみる - (page 2)

梅田正隆(ロビンソン)

2009-02-20 20:49

 では、最も時間のかかる「ごはん」の工程をベースに、調理全体でコンロを効率良く使い回すことができないか、検討してみることにしよう。コンロを使っていない最初の30分間 (米を水に浸けている時間) に1品つくると、全体の調理時間を大幅に短縮できそうだ。ただ、前回のごはんと同様に、早く作った料理は確実に冷めてしまう。

 ここで「レーン」という考え方を用いてみよう。レーンとは、競泳のプールの区切られたコースのようなものと考えればいい。第1のレーンが「ごはん」、第2のレーンに「煮物」、第3のレーンに「味噌汁」を割り当てる。レーンの左端からスタートし、右端がゴールとなる。各レーンをスタートした3品がゴールする時間差を、できるだけ小さくできれば、ホカホカの晩飯になるはずだ。

「レーン」を使って考えてみる 「レーン」を使って考えてみる

 図のように、各レーンに3品の工程を割り当てただけでは分かりにくいので、レーンの上に時間軸を置き、各作業に要した時間に合わせて配置してみよう。実際のコンロは1つしかないのだが、その制約をここでは無視して、3品とも同時にスタートしたことにする。

各レーンで同時にスタートさせるとどうなるか 各レーンで同時にスタートさせるとどうなるか(画像クリックで拡大表示)

 時間の経過に合わせて各作業を配置し、コンロを使用する作業を赤く色づけした。実際には私が1人で調理を行うわけだから、手が離せる作業以外は作業が重ならないように、ずらしてやる必要がある。まずはごはんを炊く前の30分間を有効に使いたい。

 そこで、煮物の「中火で煮る」工程までを、米を水に浸している間に行うことにする。さらに、味噌汁の「大根を煮る」工程も、ごはんの「水に浸す」工程でやってしまうことにする。2つの煮る工程を行うため「水に浸す」工程が予定より2分長くなるが、この時間差は最終的な美味しさに影響しない。

 そして、ごはんを「炊く」工程に移る。味噌汁をコンロから下ろして、ごはんを「炊く」。手が空いたので、味噌汁の「味噌を加える」工程をここで行っておこう。さて、煮物の残った工程である「弱火で煮る」は、ごはんの「蒸らす」工程まで待って行う。煮物は冷めながら味がよく滲みていくため、かえって美味しくなるはずだ。

 最後に、味噌汁の「ネギを加える」工程は、煮物を仕上げた後、ごはんの「蒸らす」工程の完了2分前に行う。結局、全工程の所要時間は64分となり、前回(90分)よりもスピードアップすることに成功した。これで、3品が完成するタイミングの時間差が少なくなり、あったか晩飯にありつける。

あったか晩飯の出来上がり あったか晩飯の出来上がり(画像クリックで拡大表示)

 前回と今回は非常にラフな説明だったが、いわゆる「プロセス志向」的なものの考え方について、大まかなイメージをつかんでもらえただろうか。

 「たかがおかず2品の晩飯で工程図なんて……」と思ったかもしれないが、ちょっと想像してみてほしい。例えば、この先、貯金をしてコンロ2基のレンジ台を買ったとする。今回の例で最大の制約条件となっていた「火」の問題が解決されるわけだ。すると、どうせならあと数品おかずを増やしてみたくなるかもしれない。休日夜の晩飯だから、調理時間はそれほど長くしたくはない。すると今度は「決められた時間の中でなるべくおかずの多い晩飯を美味しく作るには?」といった視点でカイゼンをしていくことができる。

 さらにさらに、オリジナルレシピによる晩飯が、たまたま家に招いた友人からの口コミで大ヒット! 店を開き、多くの人に定食として振る舞うことになったとする。一日に何食くらい出れば店が回るのかを考えながら、仕入れの材料とその量を決め、調理場の規模と構成を決め、人を何人雇って、どのような手順で調理してもらえば最も効率的かを考え……。と、この規模までくれば、もう頭の中だけで考えるのは難しいだろう。ある条件の中で、最も効率的に目標を達成するやり方を考えるにあたり、全体の規模が大きくなり、工程が複雑になるほど、図を使う方法のメリットは際だつのだ。

 さて次回は、今回の考え方を、もう少し考察したうえで、仕事の場面へのプロセス志向導入にトライしてみよう。

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