ヴイエムウェア、「vCenter」のLinux版をリリースへ

文:Roger Howorth(Special to CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、福岡洋一

2009-02-27 13:23

 フランス、カンヌ発--VMwareの最高技術責任者(CTO)Stephen Herrod氏が現地時間2月25日に語ったところによると、同社の仮想化マネジメントソフトウェアの主力製品「VMware vCenter Server」(旧称「VMware VirtualCenter Server」)は、将来のバージョンでWindows向けのものに加えLinux版がリリースされるという。

 Herrod氏はカンヌで開催されたカンファレンス「VMworld Europe 2009」の基調講演で、vCenterのLinux版展開を明らかにした。

 「われわれは、vCenter ServerをLinuxに直接インストールできるようにしている」とHerrod氏は語った。同社は2008年9月に開催された前回のVMworldで、初めてvCenterのLinux版リリースに言及した。

 「また、仮想アプライアンスとして稼働する(Linux版)vCenter Serverをリリースした」と、Herrod氏は講演で語った。仮想アプライアンスのベータ版は現在、VMware Communitiesのサイトから「VMware vCenter Server 2.5 for Linux Technology Program」の中でダウンロードで入手できる。

 VMwareの製品管理担当バイスプレジデントPatrick Lin氏は、vCenter Serverを何カ月ではなく何年という単位で再起動せずに稼働させたい顧客には、Linux版が役に立つだろうと話している。

 Herrod氏によると、ユーザーの60%はVirtualCenter Serverを物理サーバ上に展開している。VMware社の今回の動きは、仮想サーバを稼働させている残りの40%にライセンス費用の節約をもたらす可能性がある。また、Windowsのサーバシステムと比較するとLinuxでは休止時間の減少が見込まれ、そこに運営上の利益を見いだす顧客がいるかもしれない。

 Virtual Center Serverを仮想サーバ上ではなく物理サーバ上で稼働させることを顧客が選択する理由の1つとして、VirtualCenter Serverのシステムが利用できなくなった場合に、仮想サーバやホスティングする仮想マシンを管理できなくなる危険性があると考えられる。

 しかし、24日に行われた「VMware vCenter Server Heartbeat」の発表により、仮想マシン内で管理ソフトウェアを稼働させる顧客の数は増加するかもしれない。高可用性を専門とするNeverfailの先行製品に基づくHeartbeatは、vCenter Serverの自動フェールオーバを監視し、管理する。ソフトウェアのパッシブ複製を維持するので、メインのvCenterシステムが機能しなくなった場合には、その複製ですぐに後を引き継ぐことができる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]