伝票類の流れも追いかけてみよう
ところで、普段の仕事を進めていくうえで「伝票」や「書類」は欠かせない。「伝票はまだか! 何やってるんだ!」と叱られた経験がある人も少なくないだろう。それはひとえに、この「伝票類」が「今どこにあるか」が、仕事の進行状況そのものを体現しているからだ。
先ほど個条書きにした仕事の流れを、伝票や書類の動きに注目して書き直すと、以下のようになる。
- 顧客は営業に「注文書」を渡す
- 営業は「注文書」を受け取る
- 営業は配送センターに「受注伝票」と「出荷指示書」を渡す
- 配送センターは顧客に商品ともに「納品書」と「受領書」を渡し、経理に「受注伝票」を渡す
- 顧客は経理に「受領書」を渡す
- 経理は営業に「請求書」を渡す
- 営業は顧客に「請求書」を渡す
- 顧客は経理に商品の代金を振り込む
- 経理は代金を回収する
では図1に、各レーンの間をどのような伝票類が流れているのか、描き足して表現してみよう。
まず、営業は「注文書」を基づいて、受注処理システムにデータを入力し「受注伝票」を出力する。次に、営業部の出荷指示担当者が「受注伝票」をもとに「出荷指示書」を作成する。そして、配送センターでは「受注伝票」と「出荷指示書」に基づいて商品を出荷するとともに「納品書」と「受領書」を作成して顧客に渡す。
顧客は商品を検収して「受領書」を経理に送付する。すると、経理は「受注伝票」と「受領書」を照合して、売上処理システムに売上データを入力し、やっと「請求書」を発行することができる。
伝票の流れを追ってみると、仕事の流れを把握しやすくなる。このような仕事の流れの中のどこかで伝票の流れが滞ってしまうと、そこがボトルネックとなって仕事全体がスムーズに進まなくなる。仕事はその都度、伝票を確認しながら進められていくため「伝票はまだか !」と口酸っぱく指導されるのである。