あなたはなぜその職場にいるのですか?--田代センセーのメンタルテクニック(5) - (page 2)

田代真人(マイ・カウンセラー)

2009-03-05 08:00

今後どうするべきか、冷静に判断を

 そもそもあなたはなぜその職場にいるのか。入社した理由は何だったのか。単に安定した生活と給与が目的なのか。身につけたい技術を習得するためだったのか。希望が叶えられているのかどうか。

3次元の図 欲望の3次元グラフ

 単に安定した生活と給与を求めているのであれば、あなたが上司からの「いじめ」に耐えられるかどうかで、今後の方向性は決まります。つまり、「善悪」でも「好き嫌い」でもなく、「損得」だけを考えて、淡々と日々過ごせばいいのです。多くの場合、人は生活を楽しむことができなければストレスがたまるものですが、職場でのストレスを発散するために仕事以外の時間を充実させ、安定した給与と生活の代償として多少のいじめに耐えて暮らしていくことも1つの選択肢です。

 もちろん、その仕事が好きという理由で今の職場に入った人もいるかと思います。この場合も先ほどと同じように、上司からのいじめはあなたの「好き」という感情を満たすための代償として考えられるかどうかがポイントになります。そう考えられるのであれば、いじめの物理的実害がない限り暮らしていけますよね。

 技術を身につけたいと思ってその仕事についているのであれば、現在の上司の下でそれが叶えられるのかどうかが判断材料ですね。叶えられるのであれば、先の代償と天秤にかけることになります。

 以上の基準で考えた結果、代償にしてはいじめが耐えがたい、もしくは技術が身につけられないなど希望がかなえられないのであれば、希望がかなうであろう会社への転職も視野に入れ、一刻も早く次への戦略を考えなければなりません。時は金なり。異論はあろうかと思いますが「石の上に3年」もいる余裕はないでしょう。3年あれば、中学も高校ももう一度通えるほどの時間です。ムダにはできません。

 充実した自分の時間を乱す「上司」という存在が迷惑なのは同情に値しますが、現実としてそのような上司がいるのであれば、自分が行動するしかないのです。ある経営者が言っていました。他人と過去は変えることができないのだと。変えられるのは、自分と未来だけなのです。そう考えれば、自分が行動を起こさなくてはならない理由がわかると思います。

 次回も具体例を出して、いろいろな考え方で「自己解決」のポイントを探っていきたいと思います。

田代真人
筆者紹介

田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
ご意見、ご感想は mc-info@mycounselor.jp まで。

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