「4つの特性」さえ分かればビジネスプロセスの本質は理解できる

神永裕人(イエローリポーツ) 2009年03月27日 14時01分

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 この連載の始めでは、「晩飯作り」を例に挙げ、「プロセス志向」を導入することによってものの見方がどう変わるかを確かめてみた。今回は、もう少し業務、あるいは企業全体のビジネスという視点から、プロセス志向、プロセスの見える化のメリットについて考えてみることにしよう。

改めて「ビジネスプロセス」って何なの?

 ここで、これまであまり明確に意識せずにきた「ビジネスプロセス」について触れておきたい。その定義をちょっと難しく言うなら、企業内で営まれている「ある目的を達成するために行う活動の連鎖」ということになる。具体的な例で、その意味するところを確認していこう。

 たとえば、請求書を郵便で取引先に送る「郵送プロセス」を想定してみる。流れは図1のようになっているとしよう。確かに「宛先を書く」「切手を貼る」など、いくつかの活動が連鎖的に組み合わさることで「郵送プロセス」というものが出来上がっていることが分かる。

 では、このプロセスで達成すべき目的は何だろう? 答えを出す時には、少し抽象化して考えるといい。目的は、何かを「発送する」こと。つまり、郵送プロセスは発送のためのビジネスプロセスということができる。

図1 【図1】郵送プロセスには、「発送する」という目的を定義できる。

ビジネスプロセスが備える「4つの特性」

 図1から、ビジネスプロセスというものが備えている特性として一般化できそうなポイントを拾ってみると、次のように整理できるだろう。

1) 目的が定義できる

 ビジネスプロセスの一つ一つには明確な目的がある。そして、目的を設定する際には、「発送する」といったように「抽象化」が行われる。同じ目的のビジネスプロセス同士は容易に交換することが可能だ。たとえば、宅配便も「発送」のためのビジネスプロセスであるから、請求書ではなく、商品を取引先に送りたいなら、「郵送プロセス」の代わりに、「宅配便プロセス」を利用すればいい。

2) 入力と出力がある

 入力と出力があることで、ビジネスプロセスは他のプロセスとつなぐことができるようになる。その結果、より高位のビジネスプロセスを生み出すことができる。「郵送プロセス」を「請求書発行プロセス」や「集金プロセス」とつなぐことで、「代金回収プロセス」が出来上がるといった具合である。

3) 何度でも繰り返せる

 請求書の送り先が変わったとしても、「郵送プロセス」は送りたい相手へ確実に発送する。また、入力が「見積り書」に変わったとしても、同様の結果が得られる。

4) 効果が測定できる

 「郵送プロセス」であれば、請求書の発送依頼からこれを取引先に送り出すまでの時間、といったように、あるビジネスプロセスの効果を定量的な数値で把握することができる。これは、効率の向上やムダの排除などの改善を行う際に重要な意味を持つ。

 企業のビジネス活動は、こうした特性を持つビジネスプロセスが、担当や部門などをまたぎながら複雑につながることで動いている(図2)。このような見方がプロセス志向なのであり、企業活動をビジネスプロセスで分析し直すこと、つまり「ビジネスプロセスの見える化」を行うことで、最終的には会社の効率化や競争力アップにつながり、様々なメリットが生まれてくる。

図2 【図2】ビジネスプロセスは「入れ子構造」になっている。この図では、高位のビジネスプロセスAは、その下の順位の4つのビジネスプロセスで構成されており、さらにその中の「代金回収プロセス」は、また下の順位の3つのビジネスプロセスから構成されている。

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