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会社全体の効率化を図ったり、ムダをなくしたりしようとすると、それまでの仕事のやり方を見直し、組織や業務の枠を超えて協力し合う必要が出てくる。すなわち「全体最適化」という考え方だ。しかし、部門ごとに関心事は異なり、隣の部門が何をやっているのか、どのように業務は流れているのかをお互いに知らないことが往々にしてある。これでは全社的な取り組みは難しい(図3)。
ビジネスプロセスを見える化すれば、こうした状況は大きく変わる。企業として行っているプロセスの全体像が把握できるし、他部門で行われている業務の流れも見えてくるからだ。明確になったビジネスプロセスを対象として、課題の発見、その解決に向けたアイデアづくりなどに、多くの社員の経験や知恵を活用できるようになる。
経営方針から現場までの一貫性が生まれる
市場や業界の環境、企業自らの強みや弱み、これからの変化予想などを加味しながら、ビジネスの成功を目指すために練り上げた基本なビジョン、これが「経営方針」だ。
企業は経営方針を達成するために、事業をどのように展開するかを示す経営戦略を作り、各部門の業務はこの戦略に沿って進められる。つまり、現場で行う業務は常に経営方針の達成を意識して行われなくてはならない。
プロセス志向の基本的な考え方では、より高位にあるプロセスの目的をいかに効果的に実現するかという観点から、下位のプロセスの順序や流れを組み立ていく。このため、プロセス志向のルールに従うことで、最も高位のビジネスプロセスの目的ともいえる経営方針は、現場の業務のビジネスプロセスにきちんと反映されることになる(図4)。