#3:Glade
「Glade」は、GTK+ツールキットを活用するためのRAD(Rapid Application Development)ツールであり、GNOMEデスクトップ上で動作する。GladeのインターフェースはGIMPのものとよく似ており、カスタマイズ可能なうえに、Anjutaに組み込むことも可能となっている。Gladeには、インターフェースの開発を迅速に行うことができるよう、テキストボックスやダイアログラベル、数値入力、チェックボックス、メニューといったインターフェースのビルディングブロックが数多く用意されている。また、設計したインターフェースはXML形式で保存されるため、外部ツールとの統合も容易である。Gladeのインストールは至って簡単である。例えばFedoraの場合であれば、「yum install glade3」というコマンドを実行すればよい。Gladeのプロジェクト管理機能はAnjutaのものほどパワフルではないものの、プロジェクトの作成や編集、保存を行うことができる。
#4:GCC
「GCC」はGNUのコンパイラであり、CやC++、Objective-C、FORTRAN、Java、Adaをサポートしている。GCCはコマンドラインツールであるものの、とてもパワフルだ。現在利用できる数多くのIDEが提供している機能は、GCCのフロントエンドでしかないと言ってもよいだろう。GCCは実際のところ、ツールの集合体なのだ。そして、最もよく利用されているのが、CやC++のコードをコンパイルするためのツールなのである。しかし、どのようにしてたった1つのツールで複数の言語をコンパイルすることができるのだろうか?その答えは簡単だ:Cのコードをコンパイルするには「gcc」コマンドを実行し、C++のコードをコンパイルするには「g++」コマンドを実行しているのだ。2つのコンパイラが1つのツールキット内に存在しているのである。また、g++はコンパイラであり、単なるプリプロセッサではない。g++は、C++のソースコードからCのコードを中間的に生成することなく、直接オブジェクトコードを生成するのだ。これによって、優れたオブジェクトコードが生成可能になるだけでなく、より適切なデバッグ情報も生成できるわけである。
5:KDevelop
「KDevelop」はKDEデスクトップ向けの使い勝手のよいIDEとして1998年に開発された。KDevelopは現在、GPLライセンスの下でリリースされており、無償で使用することができる。KDevelopはプラグインベースであるため、プラグインの追加や削除を行うことで望み通りの機能一式を用意することができる。また、プロジェクトごとにさまざまなプラグイン群を指定できるプロファイル機能もサポートされている。KDevelopがサポートしているプログラミング言語の数は15種類にも上っており、各言語固有の機能も提供されている。さらにKDevelopではデバッガやバージョン管理システム(Subversionなど)、アプリケーションウィザード、ドキュメントビューア、コードスニペット、Doxygen統合、RADツール、Ctagsのサポート、コードの整形、QuickOpenのサポート、ドック可能なウィンドウとツールバーも提供されている。KDevelopによって、ユーザーはさまざまな低レベルのタスクから解放されることになるのだ。makeやautomake、configureの取り扱いはわずらわしく感じる場合もあるはずだ。優れた開発者であればこういったツールの取り扱いを心得ておくべきであり、KDevelopはAutomake Managerを用意することでそれらの使用を容易にしているのだ。他にも、コンパイラからの出力に色が付けられ、エラーや警告、メッセージの違いが一目で判るようになっているという点も長所として挙げることができる。