モニタリングは「数値」で行う
継続的にビジネスプロセスをマネジメントしていく上でポイントとなるのは、BPMサイクルの後半部分にあたる、「C(Check)」と「A(Action)」のフェーズだ。ビジネスプロセスがどのような状態にあるかをモニタリングし(C)、その結果を分析・評価して次の改善につなげる(A)という活動である。
まず、Checkのフェーズで重要なことは、ビジネスプロセスの状態や成果を「数値」で把握するということだ。「新しい取引先が増えてきているようだ」といった定性的な方法ではなく、「新しい取引先が10社増えた」というように定量的に把握するのである。数値で把握することで、以下のようなメリットが生まれる。
- モニタリングする際に、勘や経験に左右されない、客観的な把握が可能
- 目標とする値を設定できる
- 比較が容易であるため、増加や減少などの変化をはっきりと把握できる
- 明確な数値で表せるため、社内を説得するときなどに強い材料となる
ただし、どのような項目をモニタリングするかは事前に十分に検討する必要がある。というのも、BPMでは、作業単位のプロセスで改善を行うのではなく、たとえば「新規顧客獲得」や「商品出荷」といった業務プロセス単位、さらには「利益率向上」「顧客満足度向上」といった事業・企業プロセス単位などの視点で改善を行おうとするからだ。
従って、モニタリングすべき項目は、企業が描いている「経営戦略」によって大きく異なる。具体的にどの項目に注目するかを決定するには、戦略志向の経営手法として知られる「バランスト・スコアカード」などを活用すると良いとされている。
業務や事業・企業単位のビジネスプロセスを、数値でモニタリングする。これがCheckのフェーズのポイントとなる。