Training Centerの休憩エリアを行き交う人たちは、きちんとポーズを取っているウェンディの姿を見かけると、近づいてなでたり携帯電話で写真撮影したりしていきます。時折ちょっと疲れた様子を見せるウェンディですが、トレーナーの方が「がんばって」と声を掛けると、すぐにきりっとポーズを取り直します。トレーナーの方の話によれば「ここにいる時は、ちゃんと自分が仕事中だと理解しています」とのことです。

12階で30〜40分程の時間を過ごした後は、お客様との待合スペースがあるフロアに移動します。この日は暑い真夏日だったのですが、長い毛に覆われたウェンディはちょっとお疲れ気味。ここでは、ウェンディに癒されたい女性社員に囲まれながら、気持ち良さそうにフロアに横たわっていました。

ここでも来客者たちはウェンディを見つけると近づいてきます。「あえて水曜のこの時間に来客とのミーティングを設定する社員もいます」と石川さん。13時半になると無事勤務を終え、会社を後にしました。
恋する乙女、ウェンディ
普段ウェンディは、六本木にあるペットショップでショップのマスコット犬であるブルドックやスタンダードプードルたちと過ごしています。自宅が六本木で、勤務先が青山とはカッコいいですね!

「昨年、仲間と一緒に遠足気分で遠出をした時にはかなり喜んでいました」と、ウェンディのドックトレーナーさん。また、プライベートでのウェンディは、仕事の時の緊張感から解放されて「ゆる〜い」感じだそうです。しかし、小さな時から大勢の社員に囲まれて育ってきたので、会社に行かない時は寂しそうにもしているとのこと。出勤日にリボンを付けてもらうと、「これから出勤」という顔になるのだそうです。
そして、ウェンディのちょっとした秘話も聞いちゃいました。人間で言えばお年頃の女の子。そんなウェンディには、お気に入りの男性社員がいるそうです。来客エリアでは定位置で大人しくしているウェンディですが、社員フロアでは自由に歩き回ることが許されているため、お気に入りの社員がいるフロアに行くと自分から率先して近くに行くそうです。
取材を通じ、お茶目で仕事熱心、寂しがり屋でもあり積極的でもあるウェンディの様々な姿を知ることができました。と同時に、すっかり私もウェンディに癒されてしまいました!
最後になりましたが、社内公募をかけた中から決定した「ウェンディ」という名前には、社員に「いつまでも夢を追い続ける気持ちを忘れないでほしい」という意味が込められているそうです。

さて、半年にわたって続けてきました「あったらいいなを実現している企業」は、今回14回目を持っていったん連載を終了することになります。お読み頂きまして誠にありがとうございました。お邪魔させて頂いた各企業への取材を通じて、それぞれの「あったらいいな」の制度の裏側には、その企業やリーダーの姿勢、社員や会社への思いがハッキリあることを学んだ気がしています。
それでは、大変お名残り惜しいですが、この辺で!
「あったらいいな」を実現する企業:ファイル14 | |
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社名 | 日本オラクル |
本社 | 東京都港区 |
事業内容 | 情報システム構築のためのソフトウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育事業の展開 |
設立 | 1985年10月 |
従業員数 | 2226名 (2009年5月31日) |
資本金 | 222億9000万円 (2009年5月31日) |