ステップ2 緊密な人間関係を作る
ゴール: 自分のゴールにたどり着くのに必要な人的ネットワークを構築する。
政治の成功は、人間関係から始まる。何をするにしても、同僚の支援(あるいは少なくとも敬意)が必要だ。同僚が自分の持っている情報や忠誠心をあなたの仕事に役立ててくれるとすれば、それは彼らがそうしたいと思う場合だけだ。経営心理学者のKarissa Thacker氏は、人間関係は互恵的な関係の上に築かれると述べている。「誰かに親切にすれば、9割の人は親切を返してくれる」とThacker氏は言う。同様に、あなたがもし誰かを疎外したり、誰かの前進を妨げたりすれば、お返しに自分も同じような扱いを受けるだろう。
味方を探すときには、上を見てはいけない。あなたのゴールを支える力を持つのは、多くの場合自分と対等か目下の同僚だ。管理職は、いつどうやって上司に頼み事をするかを知っているかも知れない。あなたが直接行った営業に関する報告が会計部門に行き、来年のあなたの予算が削られてしまうこともあり得る。
築いた人間関係が政治の上で役立つまでには、何カ月あるいは何年もかかるかも知れないが、人間関係を作る努力にはそれほど時間を取られない。以下に、いくつかの味方作りのテクニックを記しておく。
遮らずに相手の話を聞く。特に、その話題が相手にとって重要なものの場合は、熱心に話を聞くことだ。これは、相手の考えや意見に対する敬意を示すことになる。また、相手が重要な質問をしたり、あなたの意見に反対したりした場合に、はっきりした返事を作り上げるだけの時間を稼いでくれる。
たとえ自分は違う意見を持っているとしても、相手の視点を認める。これも相手に敬意を示すことになり、またそうすることで、あなたの視点にも説得力を持たせることができる。相手の見解をすぐに否定してしまえば、相手はあなたが相手自身を否定していると捉えるかも知れない。これは敵意を生む上に、あなたを傲慢に見せてしまう。
あなたが詳しいことがあれば、他人を助ける。他人を助けようとする時には、相手からの見返りのためにするのではなく、本当にあなたが付加価値を与えられる機会を伺うこと。例えば、あなたがその会社に長くいるのであれば、新入社員に上司がどれほど長々とした電子メールを嫌っているかを知らせるというのもいいだろう。
質問をする。建設管理ソフトウェアを作っているHomeSphereの最高執行責任者Glenn Renner氏によれば、質問によって会話が始まり、人間関係を作る役にも立つという。同僚のオフィスを訪ねて、彼が取り組んでいることや、その会社の業務の進め方などについて訪ねるといい。Sherwin-Williamsで17年間昇進を繰り返してきたRenner氏は、「理解しようとすることで、友人関係ができる」と話す。それに加え、あなたは自分のゴールを達成するために役立つことを学べるかも知れない。
やりすぎない。緊密なプロフェッショナルの人間関係と、友人関係の間の線はあいまいだ。あなたの本来の役割は「従業員」であり、人間関係は「ビジネス上の関係」に止めるべきだ。共有する個人的な情報は、プロフェッショナルとして受け入れられるものだけにすること。
単独飛行に気をつける。あなたが、協力も、権限委譲もしなければ、同僚はあなたを単独プレーが好きな人間だと見るかも知れない。チームメイトがいた方が、得点する可能性は高くなる。より重要なことは、人を疎外すると、相手も何かチャンスがあったときにあなたを疎外するかも知れないということだ。