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商品よりも「プロセス」のイノベーションを起こした企業が成功する--Software AG CEO - (page 2)

聞き手:大野晋一、構成:柴田克己

2009-04-20 18:26

− 従来型の組織の多くでは、ビジネスプロセスはトップダウンで定義されているようです。Software AGが目指すソーシャルなアプローチによって、ボトムアップのプロセス改善が実現するということでしょうか。

 我々は、プロセスについて「トップダウン」「ボトムアップ」という分け方をしていません。あるのは「ビジネス側」「IT側」という区別だけです。

 ビジネス側では、BPMを使ってビジネス上のコラボレーションを推進します。ビジネスプロセスの流れによって、共同作業を効率化するのがBPMです。それは、ピアトゥーピアの横方向の流れであり、上下の流れではないのです。ビジネスとITとの関係も、同様にピアトゥーピアのコラボレーションになります。

− 「ビジネスとITがピアトゥーピアになる」というのは、どういう状況ですか。

 企業において、IT側には、CIOという責任者がいます。CIO率いるIT部門は、ビジネス部門にいる人々の技術面でのパートナーです。IT部門とビジネス部門は、ピアトゥーピアで、ビジネスソリューションを一緒に作り上げていきます。ITとビジネスは密接に関連していますが、ITによるビジネスの実行は、ITの専門家による手助けなしではできません。

− ソーシャルBPMのような、新しいアプローチのBPMが実装されたとき、ビジネスの側にはどんな変化が生まれるのでしょうか。

 まず最初にプロセスによる自動化が起こったのは、主に製造業であり、それは10年前から20年前のことでした。そのおかげで、(Software AGのある)ドイツや日本の国民の生活レベルは上がりました。プロセスの自動化によって、年間3〜5%の生産性向上が実現したわけです。生産性の向上は、賃金の向上につながり、それは生活水準の向上につながりました。

 製造業で起きたこうした変化を、今度はバックオフィスでの事務処理のレベルにまで拡大していこうというわけです。ホワイトカラーの生産性を大幅に向上するために、新たなレベルでの自動化を始めようとしています。

− Software AGは、特定のビジネスアプリケーションを持たず、ミドルウェアにフォーカスしています。BPMを中心に据えたミドルウェアを推進する上で、他社のビジネスアプリケーションに求めることは何でしょうか。例えば、コネクティビティでしょうか。

 コネクティビティはアプリケーションとは関係がありません。それは、インフラによってもたらされるものです。例えば、異機種混在環境であっても、顧客がそうしたものを維持・運用していくためのツールを、我々は提供しています。

− 先ほど話のあった「ソーシャル」に加え、現在では「SaaS(Software as a Services)」のようなトレンドもあります。SaaSのトレンドは、BPMに何らかの影響を与えますか。

 SaaSには「社内」と「社外」の2つの側面があります。「社内SaaS」というのは、いわゆる「SOA(Service Oriented Architecture)」のことです。IT部門が提供するサービスを、他の部門がサービスとして使う形です。社外に関して言えば、それは「クラウドコンピューティング」ということになるでしょう。Googleのサーチエンジンは、典型的なクラウドですね。また、何十年も前からある典型的なクラウドとしては「電話網」が挙げられるでしょう。

 企業内の標準的なアプリケーションは、今後「クラウド」の形で使われることになるでしょう。そうした状況を、Microsoftは脅威に感じているはずです。彼らの提供しているアプリケーションは、クラウドと競合する可能性があるからです。

 しかし、われわれは、顧客固有のビジネスプロセスごとに、それをITに実装していくビジネスを展開しています。それはクラウドにあるような、スタンダードなものではありません。例えば、GoogleやMicrosoft、SAPが提供している標準的なアプリケーションを使っているからといって、そこに「競合優位性がある」ということは言えません。しかし、より良いプロセスを持っていれば、競合他社とは差別化ができるのです。

 ビジネスの世界においては、今後、商品そのものよりも、ビジネスの方法そのもののほうが差別化されていくでしょう。どんなに優れた商品でも、最終的にはコモディティ化してしまいます。しかし、プロセスは決してそうなりません。将来的には、製品のイノベーションよりも、新しいプロセスを創造する「プロセスイノベーション」のほうが、会社に成功をもたらすことになります。

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