昔は、仕事のための服装選びは簡単だった。男はスーツとネクタイ、女ならばスカートスーツかパンツスーツであればよかった。その後、カジュアルフライデーや「アロハフライデー」が登場した。現在のビジネスカジュアル着用の職場は、ルールのない世界のようにも見える(Gallupによれば、わざわざネクタイを着用するアメリカ男性はわずか6%に過ぎないという)。
もちろんルールは存在するが、非常に微妙なものに過ぎず、それらのルールに従うのは大変だ。もしあなたが「ジーンズはOK」というドレスコードが、周りの人は誰もあなたの外見を判断していないということだと考えているのであれば、考え直すべきだ。濃い色のジーンズにベルト、という服装と、腰の低い位置で履く色落ちジーンズの間には大きな違いがあり、相手にまともにとりあってもらえるかどうかが決まる可能性もある。この記事では、必ずあなたの役に立つ「ビジネスカジュアル」に関する5つのルールを説明する。
1.好印象を与える
米国陸軍の軍曹Matt Eversmann氏は、その英雄的な行為が「ブラックホーク・ダウン」の小説と映画の元になったことでも知られているが、自分の部下に対し自分の指揮への絶対的な忠誠を植え付ける必要があった。その最初のステップが、彼が部下よりも常に少し上手であることを見せることだった。陸軍を退役し、現在は組織開発コンサルティング会社Freeman-Phillipsを経営しているEversmann氏は、「私の靴を、常に私の部下が思いもしないほど輝いた状態にしておくことは、私の義務だった」と話す。「戦闘の中で部下を率いなくてはならないリーダーや偉大な人物は、それらしく見えなくてはならない」(Eversmann氏)
この原則を理解している企業は、オフィスでの姿を変身させるため、新しく昇進したマネージャをBixler Consulting Groupのような会社に送ることも多い。アトランタに本社を置くこの会社は、オフィスの平凡な人物を、立派な役員に変えることを専門にしている。
極端な例として、Harryを紹介しよう。彼は、社長の2歩手前の地位に昇進した後にBixlerに送られた。シニアコンサルタントのShelley Hammell氏によれば、Harryのユニークな「スタイル」には、ダクトテープでつないだベルト、穴の開いたすり減った靴、長くてぼさぼさの髪、黄ばんですり切れたシャツ、「マイナスの印象を与える」口ひげが含まれていたという。衣装を新しくし、散髪をし、きれいにひげを剃ったところ、取締役会で話をする際に彼がお荷物になることはなくなった。さらに重要なのは、彼の格好ではなく、言葉に注意を集められるようになったことだという。