スパム対策製品で不満な点は「誤検知」
Eで最多なのは「スパム検知率が高い」で62%。同様の回答はMidで44.4%、Smallで33.8%だった。Eの回答でこれに次ぐのは「業務メールの誤検知が少ない」で48.8%、Midで41.4%、Smallで31.9%だ。
そのような反面、「導入・保守コスト」は、Eが34.9%、Midが33.7%、Smallが36.9%と大差はないが、Smallの回答ではこれが最も多い。規模が大きければ大きいほど「高検知率・低誤検知」をより重視している。
これらのスパム対策への満足度は、「まあ満足している」が48.1%、「とても満足している」が17.9%で、「あまり満足していない」が20.7%、「まったく満足していない」が6.1%、「不明」が7.2%となっており、管理者全体の3分の2がおおむね満足しているようだ。
継続利用にあたって問題となるのは「不満な点」(複数回答)だが、これは導入の際の重視点とほぼ同様の傾向で、「業務メールを誤検知する」が最も多く21.1%、以下「スパム検知率が低い」が13.3%、「導入・保守コストが高い」が11.1%となった。
大手企業で求められる仮想化対応スパム対策
さらに、今後導入する予定のあるスパム対策については、規模別で特に顕著な差がみられた項目がいくつかあった。
まず注目されるのは「仮想化に対応したスパム対策ソフト」で、Eが20.2%であるのに対し、Midは7.7%、Smallは6.3%だ。大手では仮想化技術の導入が進行しており、この領域でのスパム対応を求める声が大きくなり始めているとみられる。そのほか「サーバー用スパム対策ソフト」は、Eが15.5%、Midが16.6%、Smallが22.5%となっている。
「新手」の攻撃も防御する「Symantec Brightmail Gateway 8.0」
シマンテックはこうした要求に対する回答のひとつとして、メッセージングセキュリティプラットフォームの最新版「Symantec Brightmail Gateway 8.0」も発表した。既存ユーザー向けに3月5日から提供を開始している。
この製品は「電子メールの増大」という現象に対抗するかたちで新たなスパムフィルタリング手法「FastPass メッセージ処理アプローチ」を活用している。これは、既知の安全な送信者からの電子メールをスパムスキャン全般から迂回させ、スキャン機能の負荷を軽減させてスループットを向上させるアプローチだ。
また、「バウンス攻撃防止機能」も注目される。スパマーがスパムメッセージで偽造するfromヘッダーに正規の電子メールアドレスが記入した場合、そのアドレスの保持者には大量の配信不能レポート(Non Delivery Report)が返ってくることになる。バウンス攻撃は、実際にはスパム送信行為を行っていないにも関わらず配信不能レポートを大量に受け取ることになるため、業務に支障をきたすこととなる。
「バウンス攻撃防止機能」は送信メールに独自のタグを記述し、メールを受信する際にこのタグをチェック。不正なバウンスであるかどうかを判断し、バウンスの場合はこれを効率的に排除する機能だ。