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経営の見える化を追求--NTTドコモが取り組むリアルタイムマネジメントシステムの実態 - (page 3)

宍戸周夫(テラメディア)

2009-04-27 21:23

 まず、スケジューラと申請を結びつけるため、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を工夫し、自然なデータ入力を実現した。また会社の意志決定はすべて決裁・承認であることに着目し、ワークフローツールを活用して決裁・承認をトリガーにして基幹システムのデータ更新をリアルタイムで実施するという仕組みを作った。具体的にはどういうことか。西川氏はこう説明する。

 「まずスケジューラですが、従業員はスケジューラにスケジュールを登録するだけでシステムが各従業員の稼働状態を把握し、時間外手当などの勤務管理を行います。また出張によって発生する旅費などについてもスケジューラからシステムが自動的に把握します。

 たとえばある従業員がスケジューラに休暇スケジュールを登録すると、リアルタイムに休暇が申請されます。またそのスケジューラの時間外にスケジュールを登録すると、リアルタイムかつ自動的に超過勤務が申請されます。また出張旅費の精算については、たとえば溜池山王にある本社の人間が神奈川支社で打ち合わせをしたいとスケジュールを登録するとシステムがまず国内出張だと認識し、ドコモの旅費規程により旅費を計算します。そして出発当日に自動申請され、上長承認で従業員の口座に旅費が支払われるということになります」

 ワークフローも同様、決裁手続とシステムへのデータ入力を同時に実行するために採用された。ワークフローは電子決済だけを管理するのではなく、物品購入の場合では、申請し承認されると自動的に発注業務が行われる。

 具体的には、電子データ交換(EDI)によってサプライヤーに発注データが自動送信される。上長が「承認」のボタンをクリックしただけで、ここまでがリアルタイムで行われるという。また物品の検収から債務の解消までがワークフローでリアルタイムかつ自動的に流れるという仕組みができている。

 「電子決済というと、単にハンコがマウスに代わっただけと思われがちですが、そうではなく、マウスをクリックすると、その承認内容で基幹システムのデータベースが即時に更新されるということです」

企業文化を大改革

 NTTドコモのリアルタイムマネジメントシステムは、すべてオープンシステムで構築されている。その規模は、これまで紹介してきたALADIN、MoBills、DREAMS、そしてドコモグループの情報共有システムである「DiSH(DOCOMO Group Infrastructure for Data Sharing)」合計で、クライアントPCの設置拠点数は約3500であり、その端末数は約10万5000台という極めて大規模なものとなっている。

 サーバはUNIX系を中心に約1600台、ディスク容量は約5000テラバイト。また主なDBMSはALADINとMoBills がOracle 9i、DiSHがSQL Server、DREAMSがOracle 9i、データウェアハウス(DWH)がOracle 10gというように、Oracleが中心となっている。

 トランザクション数はALADINが1日あたり860万、MoBillsが1日あたり10.3億、DiSHが1日あたり3000万PV、DREAMSとDWHが1日あたり500万にのぼるという。なお、この大規模システムは24時間365日ノンストップで稼働しているとしている。

 それでは、こうしたシステムを使って、NTTドコモの従業員は日常的にどのような業務をこなしているのだろうか。従業員の端末(DREAMS画面)には業務一覧としてスケジューラ、申請、承認、検収などのメニューが並んでいる。

 「このうち、たとえばCS情報のボタンをクリックすると、即座にお客様情報を把握する画面が立ち上がります。上部にはアラート情報として、たとえば携帯電話が充電中発熱したというようなドコモとして直ちに対応すべき緊急情報がリアルタイムに提示され、その下に日々5000万件に上るお客様の声を旬な声、最重要な声、最新トピック、根強い声というようにカテゴライズして表示されます」

 さらに、目的に合わせ事業別、組織別、サービス別などの分析視点も提供され、それらはさまざまな経営情報の関連に合わせたツリー構造で表示されている。アラーム表示による予実管理も行える。通信料の分析、またオペレーション指標についても数多くの切り口で分析できるようになっている。

 西川氏は最後に、リアルタイムマネジメントシステムの導入効果を次のように述べた。

 「車の運転に例えますと、昔の景色を見て運転するより、今の景色を見て運転する方が経営の安定につながるのは当然です。データの発生元が責任を持ってデータ入力を行うことで間接稼働が削減でき、間接経費も削減できます。情報の共有化と公開でアカウンタビリティが遂行され、不正防止にも役立ちます。これまで社員の業務の大半を占めていた情報収集という作業はすべてシステムに任せることができ、社員はここで得られた情報をいかに活用し生産性向上につながる作業に集中することが可能となっています。さらにリアルタイムマネジメントシステムによって内部統制にもシステムの変更なく対応できました」

 リアルタイムマネジメントによって、CS向上とともに、企業文化の大改革が実現したということである。

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