Jack Welch氏
General Electricの前会長兼CEO
社内政治のスタイル:広い心を持った、歯に衣着せぬ人物
Welch氏は若い頃、上司に対して過ちや改善方法を指摘することをためらわなかった。そして決断を下す立場になると、余剰人員を削減したことで、多くの人々から冷淡な人物だと思われるようになった。しかしWelch氏は、情熱を持って懸命に働く聡明な従業員たちに対してストックオプションや権限を与え、平等な仲間として扱うことで、同僚や従業員からの信頼を勝ち取ったのである。Welch氏は形式的な手続きや、たいていの企業にあるような命令系統に従った経営構造を廃止した。同氏は1999年、Wall Street Journal紙のインタビューに応えて「私は人々に対して、組織の犠牲者になってはいけないと言っている」と述べるとともに、「私は彼らに対して、気付いてもらうために手を挙げ、意見を述べるよう奨励している」と述べている。
長所:Welch氏はものごとをやり遂げ、人々はその率直さを尊んだのだ。また、従業員らは自らの意見やアイデアに耳を傾けてもらえることに好感を抱いた。そして、Welch氏の行動やアプローチに賛同できない場合であっても、人々は同氏が誠実な人物であり、その行動はほとんどの場合に会社の収益向上に結びつくものであるということを理解していたのだ。
短所:Welch氏の直接的で挑戦的なスタイルは、同氏がトップの座に就くまではリスクを伴うものであった--傲慢で思いやりに欠けると思われることもあったのだ。Welch氏は後に、自身の傲慢さ(そして官僚主義を嫌い続けたこと)のせいで、投資会社Kidder Peabody & Co.の買収に失敗した時のように、ことを急ぎすぎたこともあったと述べている。なお、この買収においては、Welch氏の会社の取締役2人が同氏に警鐘を発していた。