戦略的にビジネスメールを送るための4つのポイント--エリック松永の英語道場(24) - (page 2)

エリック松永

2009-05-18 08:00

ポイント3: 目的を明確にする

 メールで最悪なのは、要点が分かりにくいメールです。目的が明確に書かれていないと、仕事の規定が明確なグローバルビジネスマンに無視される恐れがあります。メールの中身で一番重要なのは、「目的を明確に伝えること」なのです。

 日本人のメールは概して目的が不明なものが多いような気がします。「とりあえず情報をください」といったような感覚はグローバルビジネスではあり得ないので、嘘をついてでも目的は明確にしましょう。

 依頼事項がある場合は、依頼を個条書きにして、必ず返答の締め切りを明確にしましょう。依頼の際、「Could you please〜?」や「May I ask you to〜?」などは必要ありません。項目と期日、この2点を明確にすることが一番重要なのです。以下のようにシンプルに書くだけでいいのです。

Please check the items below, and send me your feedback by May 20th.
1. XXXXX
2. XXXXX

 重要な依頼事項の場合、相手が逃げないようCcに両社のキーパーソン(例えば上司)を入れる方法も効果的です。できれば電話をすればさらに効果的な関係作りができますが、英語で話す自信がないという人は、まずメールを戦略的に送る技を身につけてください。

ポイント4: 文末に仲良くなるための仕込みをする

 あまりシビアな内容のメールでは不適切ですが、両方に少し余裕がありそうな場合、ちょっといたずらをしてみるのもありでしょう。例えば相手が米国人なら、以下のようにイチローや松井秀喜などメジャーリーガーの話題をさりげなくふってみてもいいかと思います。

Anyway, your information supported our team so much. The unit test performance is better than Ichiro's batting average.

 最後に、「Yours sincerely」「Sincerely」「Best regards」などの結語をつけ、あなたの名前を書けばメールは完成です。私は普通のメールは「Regards」で締めくくり、仲良しの場合は「Peace out」を使っています。結語も個性ですので、好きなものを選んで使い分けるといいと思います。

シンプルに、わかりやすく

 まとめると、メールの構成は単純な3部構成で、「宛先」「本文」「結語(そしてあなたの名前)」となります。定型文を使って書くことばかり考えないで、それぞれに思いをこめれば、メールも戦略的なツールとなります。

 ちなみに最近では、仲良くなると「Facebook」で名前を検索し、Facebook経由で友達申請が来ることも多くなってきました。よりビジネス志向なソーシャルネットワーキングサービスでは「LinkedIn」もあるので、ぜひ加入してみましょう。もちろんプロフィールは英語で! 便利な時代になりましたね。

Peace out,
Eric

Eric
筆者紹介

エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。著書に「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)がある。

イラストレーター: まつなが みか
つぶやく日本人や音楽にまつわる「人」のイラストを描く。CDジャケット、ショップ、雑誌等で活動中。エリック松永の愚妹。

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