日本IBM、SOAイベント「IMPACT」を開催--ITで組織を変える「Smart Work」は何を目指すか

ZDNet Japan Staff 2009年05月20日 12時48分

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 日本IBMは5月19日、東京都内のホテルで「IMPACT 2009 Japan SOA Conference」を開催した。「IMPACT」は、主にWebSphereブランドを中心としたIBMのソフトウェア事業における、SOAへの取り組みを披露するイベント。日本では2008年に始まり、今回で3回目の開催となる。

 IBMでは、社会やビジネスが現在抱えている課題を、情報技術を使って解決していくことを標ぼうする「Smart Planet」というコンセプトを掲げているが、WebSphereをはじめとする同社のソフトウェア事業においては、その構成要素として、ビジネスや組織を変革するための「Smart Work」を推進していくという。

三浦浩氏 日本IBM専務執行役員、ソフトウェア事業担当の三浦浩氏

 日本IBM専務執行役員、ソフトウェア事業担当の三浦浩氏は、この「Smart Work」の概念について、「組織の根本的な変革」であると説明する。その変革の原動力となるのは、ITの普及によって生み出される大量のデータを元にした意思決定、ボーダーレスかつリアルタイムのコミュニケーション、そして俊敏で効率的な業務プロセスの構築と遂行であり、IBMのソフトウェア事業においては、それらをSOAをベースとした技術基盤と業務ノウハウによってサポートしていくことがミッションであるとする。

 三浦氏は、このSmart Workを支える3つの要素として「ビジネスプロセスとモデル」「コラボレーション」「技術基盤としてのSOA」を挙げ、それぞれについて、今後の施策を紹介した。

 まずビジネスプロセスとモデルについては、ビジネス・ルール管理ソフトウェア「IBM WebSphere ILOG JRules V7.0」を市場へ投入する。6月27日に出荷が開始されるこの製品は、同社が2008年に買収した「ILOG」の製品をWebSphereブランドへと統合したもの。企業内で行われる業務のルール(取り決めや制約事項、規制)などを、基幹業務向けのプログラムから分離して管理することにより、業務に生じたルール変更を迅速に基幹業務システムへ反映することを可能にする製品である。IBMとしては初のビジネスルール管理製品となるという。ブランドの統合にあたって、WebSphere BPM(FileNet)といった他のWebSphere製品との連携が強化されているほか、テスト、シミュレーション、監査機能なども強化されている。

 また、ビジネスプロセスとモデルの洗練にあたって、2009年第2四半期より「BPM BlueWorks」という新たなコミュニティ構築の試みが行われる。これは、同社のビジネスモデリングツールである「Business Process Modeler」をウェブ上で無償提供し、ビジネスユーザーがネット上で、さまざまな業界、業種、業務向けのプロセスモデリングを行えるというもの。ネット上にホスティングされたツールやデモを使って、プロセスモデリングに関する学習を行えるほか、モデル構築にあたって、他のユーザーやエキスパートと情報交換を行うこともできる。これらのサービスは無料で利用可能。昨今関心が高まるBPMに新たに取り組もうとする人に、その入り口を提供すると同時に、コラボレーションによって、より良いプロセスを生み出すためのビジネス・コミュニティとしての役割を担うとする。

 クラウドと呼ばれるITの新たな利用形態に対する対応も進めていく。Amazon EC2でのIBMミドルウェアの利用を促進するため、開発・テスト用のAMI(マシンイメージ)を無償で提供するほか、実行環境での利用にあたっても、EC2のインスタンス(仮想マシン)の利用形態に合わせたライセンス方式を導入していく。

 また、企業の情報システム部門が、主に自社内での新たなITリソース提供形態として導入を進める「インターナルクラウド」を支える基盤としてのアプライアンスサーバ製品についても順次機能強化、新規投入を行うとする。ESBを核としてSOAの迅速な配備を可能にするアプライアンス「WebSphere DataPower」では、Webサービスに対するトランザクションの増加に対応するための機能強化が行われるほか、新たに投入される「WebSphere CloudBurst」では、WASアプリケーションやサービスを、クラウド上に速やかに展開し、セキュアに管理するための各種機能を提供するという。

 IBMのソフトウェア事業には、データマネジメント製品を中心とした「Information Management(DB2)」、情報系コラボレーションやコミュニケーションツールを中心とした「Lotus」、運用管理システムを中心とした「Tivoli」、システム開発製品を中心とした「Rational」といった多数の事業部が存在するが、アプリケーションサーバをはじめとするミドルウェア製品からスタートし、SOAのソフトウェア基盤や、基幹システムと密接に結びついたBPMへと守備範囲を広げた「WebSphere」は、これらすべての製品を有機的に結びつけ、ITとビジネスの間の直接的な橋渡しを行うという、重要な役割を担うブランドへと進化している。

 「仕事のスタイルは、従来の欧米流である“コマンド&コントロール”の世界から、“ピア・トゥー・ピア”の要素を取り込んだものへ変化を求められている。日本には、チームワークやグループワークの文化があり、ボトムアップの改善や提案活動といったことも行われてきたが、そこにITを取り入れる点では遅れをとっていると感じている。仕事のスタイルをITを使って変革し、それを実際の世界へと還元できる環境を作りだすことが“Smart Work”の意味するところだ」(三浦氏)

三浦浩氏 「Smart Work」を構成する3つの要素と、それぞれの要素に向けた施策・製品

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