FA宣言で希望のチーム入り--「あったらいいな」を実現する企業:トレンドマイクロ - (page 2)

遠竹智寿子

2009-06-10 12:08

 こうした考えの基で実施されているトレンドマイクロのFA制度とは、以下のようなものです。

  • 対象者: 部署、職務を問わず、現在の所属部署での経験が1年以上の社員および契約社員。現状で空きがあるかないかに関わらず、異動希望を申請することができる。応募に際して上長の承認を得る必要はない。

  • 申請方法: 「社内人材登録シート」に、現在の部署名、担当職務、希望する部署、ポジション名、志望理由を記入して申請する。海外拠点でのポジションにも申請が可能。情報は人事部が管理し、直属の上司も含めて他社員の閲覧は不可。社内メールで特定の部門、職種の募集を随時告知し、応募を受け付ける社内公募制度もある。

  • 選考方法: 新しいポジションや空きポジションが出たら、希望部門での書類選考後、部門マネージャーによるスクリーニングを行う。異動決定後に、現所属マネージャーと人事部で調整し本人へ通知する。異動調整期間は、通常2〜3カ月程度。所属部門の上司は、社員が異動を辞退しない限り、原則として引き止めてはいけない。

 実際に同制度を使って、パートナーセールスや法人ライセンス販売などを行ってきた営業職の経歴から、現在の事業開発部ビジネスデベロップメント課へと異動した丸山昌宏さんにお話を伺いました。丸山さんは2008年春に社内公募の告知を見て応募し、9月に希望する部門・職種へと正式配属されました。

 「現在は、プレイステーション3やプレイステーションポータブルなど、ゲーム機向けの製品開発のプロジェクトマネージメントを担当しています。これまでお客様と1対1のやり取りをして来た中で、次のステップとして、既存のビジネスモデルを変えて行くことのできる職種であること、またグローバルな仕事に興味を持ち、携わりたいと思っていました。今回は異動するタイミングで、該当する事業立ち上げがあると聞き、まさにこれはチャンスだと思って手を上げました」(丸山さん)

 異動が決まった後に苦労や不安がなかったのかを聞いてみると、「これまではお客様に対する仕事だったので、その引き継ぎをどうするかが一番の問題でしたが、新旧両部署の上司に配慮してもらい、課題を残さず移ることができたと思っています。一方、営業畑でずっとやって来た中で、マーケティングやプロジェクトマネージメント、英語などのスキルセットを身に付けていないことには不安がありました。結果としては、不安より何よりやっていかなければならない環境でしたし、回りのサポートもあったので、いい形で進めたと思います」と丸山さんは話します。

 また、丸山さんはFA制度について、「積極的な人は、どのような環境でも自分のやりたいことをどんどん切り開いていくことができますが、一般的には気持ちがあってもなかなか言い出せない人が多いと思うので、各社員隔たりなくチャンスを作るきっかけとして良い制度だと思っています」と語ります。一方で、FA制度の課題として、「元の部署の理解がないといけない。うまく行かないものだとも感じています」といいます。

 現在、FA制度を利用して年間10〜15人程度の社員が申請と応募を行い、実際に7〜8人が異動しているとのこと。この制度を利用した人たちは、SE職から法務部門へ、営業から事業開発部門へといったように、これまでの業務の延長線ではなく、全く新しい分野に飛び込むケースが多いようです。中には新卒入社時に希望したオンラインマーケティングに配属にならず、チャネルマーケティングを担当していた社員が、どうしてもオンラインを担当したいと申請し、念願かなって異動となったケースもあるそうです。

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