#4:生体認証デバイスの管理
Windowsのこれまでのバージョンでは、生体認証デバイス(指紋センサー)の認証や管理にサードパーティーのソフトウェアが必要であり、そういったソフトウェアの中にはOSとうまく統合できないものもあった。しかし、Windows 7ではそういったデバイスへのサポートが組み込まれているのだ。Windows 7には「Windows生体認証フレームワーク」が搭載されているため、開発者は該当APIを利用することで、生体認証機能を組み込んだアプリケーションの開発が行えるようになったのである。なお、Microsoftは同フレームワークを開発するにあたって、UPEKやAuthenTecといった指紋センサーデバイスメーカーの協力を仰いでいる。生体認証デバイスはコントロールパネルのアプレットを用いて管理することができる(図G)。
#5:資格情報マネージャー
「資格情報マネージャー」もまた、Windows 7で追加された新しい機能である。この機能はある意味において、Vistaの「ユーザーアカウント」アプレットにおけるパスワード管理機能と似ているが、より洗練されたものとなっている。「資格情報マネージャー」では、ユーザーがログオンするさまざまなコンピュータのWindows資格情報や、証明書に基づいた資格情報、その他の一般的な資格情報(電子メールアカウントやWebアカウントなど)を管理することができる。また、こういった情報はすべて、デフォルトで「Windows資格情報コンテナー」に保存されるようになっている(図H)。
「資格情報マネージャー」の持つ機能のうち最も優れたものはおそらく、「資格情報コンテナー」のバックアップや復元を行うという機能だろう。なお、Microsoftはハードウェア障害時の復旧を容易にするため、証明書のバックアップを行う際には、USBメモリのようなリムーバブルドライブの使用を推奨している。
詳細については、「Windows 7: Exploring Credential Manager and Windows Vault」を参照してほしい。
#6:プロジェクターへの表示とWindowsモビリティセンター
プレゼンテーションを行う機会が多いユーザーにとって、Windows 7を搭載したノートPCとプロジェクターを簡単に接続できるようにするツールは有り難い存在となるだろう。Windowsキー+Pを押下するだけで、画面の表示先を選択する図Iのような画面がポップアップするのである。
左端の設定がデフォルトとなっており、コンピュータのディスプレイにのみ表示したい場合に選択する。左から2番目の設定は、コンピュータのディスプレイに表示されるものと同じ内容をプロジェクターの投影先にも表示したい場合に選択する。3番目の設定は、コンピュータのディスプレイとプロジェクターの投影先をまとめて1つのデスクトップとして取り扱いたい場合に選択する。4番目の設定は、プロジェクターの投影先にのみ表示し、コンピュータのディスプレイを使わない場合に選択する。
Windowsキー+Xを押下することで、「Windowsモビリティセンター」(図J)が開く。ここからプレゼンテーション設定をオンにすることができる。これにより、スクリーンセーバーを無効化したり、壁紙を地味なものに設定したり、Windows Live Messengerの状態を「取り込み中」にしたりすることができる。