--ネットブックはどんなOSを使っているの。
Asusの初代のEee PC、そしてOLPCのX0ラップトップに搭載されていたのは、Linuxだ。この競争に参加した初期のマシンにも、Linuxが使われていた。これは、価格を抑えるのに役立ったんだ。その後、ネットブックでも消費者がOSを選べるようになり、Linuxのものばかりではなく、Microsoftファンもこれまでよりも明らかに安いコストで、XPのネットブックを手に入れられるようになってきた。
--なぜVistaではなくXPなの?
Microsoftの最新OSであるVistaは、大きなメモリを必要とするので、これらのスペックの低いマシンで動かすのは厳しいんだ。ただ、君も知っているとは思うけど、Vistaは市場で大歓迎されているとは言えないので、これを残念に思っている人はそれほどいないかもしれないね。
ネットブックの援護で延びたXPの寿命も、Windows 7の発売で尽きるかもしれない。Microsoftは過去の間違いから学んでいて、次のWindowsでは、これらの小型PCのために作られたバージョンも用意すると発表している。Microsoftの言うことを信じれば、Windows 7 Starter Editionは、ネットブックでもあまり問題なく動かせるということだ。
--ネットブック市場に他のオープンソースソフトウェアが入ってきているということはないの?
GoogleのオープンOS、Androidがネットブックに搭載されるという噂があるね。Androidは元々は携帯電話のために設計されたもので、今はHTCのG1に搭載されている(編集部注:本稿執筆後、台湾で開催の「Computex」でAndroid搭載ネットブックが発表されている)。
--一般消費者向けには売れているようだけど、ビジネス向けにはどう?
2007年にこれらの小型のマシンが登場したときには、ビジネス市場では、これらは純粋に消費者向けのもので、企業の場には向いていないというのが一般的な見方だったんだ。ところが、それから波が大きく変わり、ビジネス業界でも移動中に接続するニーズが強くなってきたことから、ネットブックも評価されるようになった。
2009年2月には、調査会社のIDCが、ネットブックが企業向けにもシェアを獲得していると発言している。その主な理由は、今回の信用危機と、企業が1セントでも節約しなくてはならなくなっているためだ。
一部のアナリストは、価格が安いために、メーカーはこれらのデバイスのファイヤーウォールやアンチウィルスなどのセキュリティ機能を切り詰めるかもしれず、ネットブックがウェブからの主な攻撃対象となって、ビジネス用途にはあまり向かないのではないかと発言している。しかし、silicon.comが集めた各社の最高情報責任者(CIO)の意見はこれとは違っていて、多くのCIOはネットブックの流れに乗りたいと考えているか、すでにその流れに乗っているんだ。あるパネリストは、「ネットブックの目的がインターネット越しに情報にアクセスすることであり、ローカルストレージを持つPCとして使われることではないということを念頭に置けば、通常のリモートアクセスに対するセキュリティはすべて適用されるはずだ」と指摘している。
--僕も欲しくなってきたよ。どういう機能に注意して選べばいいんだろう。
オフィス外での生産性を上げることが主な使い方だと考えれば、バッテリーが長持ちすることが大事だろうね。このカテゴリーのデバイスは、他の携帯型PCに比べれば、中身がバッテリー消費量を意識したものになっている分だけ、一般的にはバッテリーは長持ちするはずだ。しかし、一部の機種は明らかに他のものよりも優秀だ。バッテリーによる駆動時間は、2時間弱程度から、Asus Eee PC 1000HEの9時間という長時間まで、さまざまだ。バッテリーによる駆動時間について知りたければ、silicon.comの姉妹サイトCNET.co.ukが掲載した、具体的に機種を挙げて駆動時間を計測した記事を参考にするのがいいと思う。
ネットブックを使ってオフィス作業もこなそうと考えているのであれば、使い勝手についても検討した方がいいだろうね。そう言う場合は、例えばキーボードや画面のサイズも考慮に入れるといいだろう。
OSについても選べるので、Microsoftにこだわる必要があるか、Linuxのようなオープンソース製品を試してももよいのかを決めるといい。後者の方が、財布には優しい可能性が高い。
同じお金で、追加の機能が得られる場合もあるので、それも考慮に入れることをお勧めするよ。例えば、ネットブックには組み込みのウェブカメラなどの追加的な機能がついている場合もある。ウェブカメラがあれば、ビデオ会議も使えるわけだ。
ブームの発端となったAsus Eee PC 701
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ