プライベートクラウド、SOA、BPMの導入--ふたつの道筋を示すSoftware AG - (page 2)

大川淳 撮影:中村浩二

2009-06-09 01:05

 冨田:IT投資の多くが維持と保守に費やされてしまうという実情にありながら、我々はどうすれば前進的な分野にもっと投資をまわせることができるのでしょうか。

 木村:保守費用の削減では、これまでのIT投資をを無駄にしないことが肝要です。SOAの技術を使って既存システムの要素を部品化し、それらを組み合わせて活用するというアプローチがあります。

 また、BPMを活用することで、経営そのものを分析して継続的な業務の改善につなげていくことができます。

 IT資産の運用という点では、一度作った部品をきちんと使い続けるために、設計時にうまく管理し、実行の際には効率的に行えるように全体最適が可能になるツールを当社では用意しています。

サイロ化の克服について語る木村氏 サイロ化の克服について語る木村氏

 冨田:アプリケーションとアプリケーションの壁、いわゆる「サイロ化」を克服するための方法には、どのようなものがあるのでしょうか?

 木村:我々のようなソフトウェアベンダーだけでは「サイロ化」の解決は困難だと思います。

 ITによる最適な業務改革は、まず全体のプランを策定し、要件定義から設計へという流れがあります。そのなかで、エンドユーザーである企業自体が関与するのは、実際にはプランの段階までということが多く、その他はいわば丸投げです。

 請け負うベンダー側は、顧客となる企業の業務を深く理解していないことがよくあり、十分なソリューションを作れないことが少なくありません。

 当社では製品とは別に、顧客と一緒に要件を定義していくという方法論もあります。そこから、まずは設計の部分で顧客のAsIs(現状)を見て、問題点を分析しながらBPMでの設計を行い、いまある業務をすべてIT化して動かしてみせることができます。

 これによって各アプリケーションにまたがった業務フローが定義されるので、AsIsをToBe(理想)へとダイナミックに変更させることができ、アプリケーションの壁を越えた業務の定義をツールで行えるのです。

PMO設置とフェーズ分けが2本の柱

 冨田:SOA、BPMの導入にあたってはトップとボトム、どこから着手していけばいいとお考えですか?

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