アップルがSafari 4.0に巨大パッチ:50件以上の脆弱性を修正

文:Ryan Naraine(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2009-06-09 11:26

 Appleは、Safari 4.0の50件以上もの脆弱性を修正する、巨大なアップデートを公開した。脆弱性の一部は、極めて危険なものだ。

 このSafari 4.0に対する最新のアップデートでは、幅広い種類のコード実行の脆弱性と、サービス妨害の脆弱性を修正しており、最近のウェブブラウザを悩ませている「クリックジャッキング」問題に対する修正も含まれている。

 (参照:Webcam hijack demo highlights clickjacking threat

 クリックジャッキング(URI redressingとも呼ばれる)の概念実証コードがいくつか出回っているが、これらはあるウェブページ上でのクリックを、実際にはエンドユーザーからは見えないページに対するクリックとして適用する方法について示している。これは、すべての主要なブラウザに影響のある問題だが、AppleはMacとWindowsのユーザーに対して、この問題に対するアップデートを提供したようだ。

  • WebKit (CVE-2009-1681): ウェブサイト間の相互作用を制限するために使われている、同一生成元ポリシーのメカニズムに、設計上の問題が存在する。このポリシーでは、サードパーティのウェブサイトをサブフレームの中に読み込むことが可能となっている。このフレームを、ユーザーを誘導してフレーム内の特定の要素をクリックさせるように配置することが可能であり、この攻撃は「クリックジャッキング」と呼ばれている。悪意を持って作成されたウェブサイトは、ユーザーを誘導して、購入の開始などの、予期していない行動を取らせることができる可能性がある。今回のアップデートでは、業界標準である「X-Frame-Options」拡張ヘッダを導入することによって、この問題を解決している。この拡張ヘッダを用いると、個々のページがサブフレーム内に表示しないように指定することができる。

 この最新版のSafariのアップデートでは、他にも、CoreGraphicsに存在する5件のコードを実行される危険のある明文化された脆弱性(そのすべてが、完全にコンピュータを乗っ取られる可能性がある)、悪意を持って作成されたPNG画像ファイルを通じて悪用される可能性のあるImageIOの問題、libxmlに存在する5つのセキュリティホール、Mac用・Windows用の両方のSafariに影響のあるさまざまなWebKitの脆弱性などを修正している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]