ストレージソフトウェア業界はここ5年以上、安定した成長を見せていたが、ここへきて初めて四半期ベースの売上成長率にブレーキがかかったという。調査会社IDCがリポートで明らかにした。
2009年第1四半期におけるストレージソフトウェア業界の売り上げは前年同期から5.2%落ち込み、28億ドルになった。この不振によって、主要ベンダーであるHewlett-Packard(HP)、EMC、IBMは打撃を受けた。これらベンダーはストレージソフトウェアを企業顧客に販売している。
IDCのストレージソフトウェア部門のリサーチアナリストであるMichael Margossian氏は「多くの企業にとって第1四半期は季節的に販売が伸びないことと、低迷の続く経済環境という要因が第1四半期の結果に反映された」と声明で述べた。「大部分の企業が、マイナス成長もしくは前年同期比で非常に低い成長という結果を示した」(Margossian氏)
ソフトウェアストレージ業界には、データ保護およびリカバリー、アーカイブ、データ複製、ストレージデバイス管理などの個別市場が含まれる。これらの個別市場の多くは、このたびのビジネス環境の低迷で打撃を被った。
「年単位で比較した場合、大部分の個別市場の売り上げは前年の第1四半期から減少した」とIDCのストレージソフトウェア部門のリサーチディレクターを務めるLaura DuBois氏は声明で述べ、「主に影響を受けたのは、デバイス管理、データ複製、そしてインフラストラクチャの市場であり、すべての個別分野のソフトウェアはストレージシステムそのものと密接に関係している」と続けた。
上位5社のうち、最も大きな打撃を受けたのはHP。HPの第1四半期の売り上げは、前年同期の1億2300万ドルと比べて21.5%減の9700万ドルとなった。EMCの売り上げは6億1200万ドルとなり、前年同期の7億1600万ドルから14.5%落ち込んだ。Symantecのみが辛うじて成長を確保し、売り上げは前年同期の5億1800万ドルから2.5%増の5億3100万ドルとなった。
これら主要企業の販売の落ち込みは、ストレージソフトウェア業界全体に波及した。しかし、IDCは上位5社が回復すれば、ストレージソフトウェア市場は立ち直ると予測している。
DuBois氏は、「個別市場の大部分を独占する主要企業の業績が低迷したことを受けて、ストレージソフトウェア市場全体が落ち込むことになった」と述べた。「主要企業が回復すれば、ストレージソフトウェア市場全体をけん引していくであろう」(DuBois氏)
このたびのストレージソフトウェア市場に関するIDCの報告は、IDCが先週後半に発表した2009年第1四半期のディスクストレージ業界の不振に関する報告に続くものである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ