マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure」とは? - (page 2)

文:Tim Ferguson 翻訳校正:石橋啓一郎 2009年06月12日 08時00分

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--その裏にあるMicrosoftの考えは、どういうものだろう。

 うーん、要は、今テクノロジー業界では、クラウドコンピューティングが流行として非常に注目を集めているということが問題なんだろう。中でもGoogleやAmazonが、コンピューティング能力やアプリケーションのホスティングを一般に広めることに非常に力を入れているので、Microsoftも分け前に与ろうとしているんだろうね。

--要するに、IT界の新顔達が、恐竜を駆逐しようとしてるということかな。

 そういう言い方もできるだろうね。Microsoftはインターネットサービスへの参入が遅かったことで知られているんだけど、最近はAzureの他にも多くのホスティングされた製品を出してきている。

 Microsoftのクラウド攻勢の一例がBusiness Productivity Online Suite(BPOS)で、これにはオンライン版のExchangeとSharePointの機能があり、数ヶ月以内にDynamics CRMの技術も組み込まれる予定になっている。

--でも、DynamicsはAzure Services Platformにも組み込まれるんでしょう。そうなると、BPOSとASPでのDynamicsの違いはなんだろう。

 Microsoftによれば、ASPはどちらかといえば開発者のためのもので、アプリケーションに機能を組み込むことに焦点を当てている。例えば、開発者はLive MessengerやDynamicsの機能を、作っているオンラインアプリケーションに組み込むことができるというわけだ。これに対し、Business Productivity Online Suiteは、基本的にMicrosoftのソフトウェアのオンライン版で、オフィス内に置かれたものとおおよそ同じように動作する。

 これらのサービスが、別々のまま進むのか、それともいずれAzureのブランドに統合されるのかは、興味深い問題だね。Microsoftは、1つのやり方に全力を投入する前に、いろいろな選択肢を模索しているんじゃないかな。

--今聞いた話は、Microsoftが従来の社内に置くソフトウェアを完全になくす方向に進んでいるということを意味するのかな。

 短期的には、まったくそういうことはない。Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏のような人の発言とは食い違うことになるけど、予測できる将来には、そういうことは起こらない可能性が高い。Microsoftの収益は、従来の形態のソフトウェア販売にあまりにも依存していて、この考え方を捨てるなんて、思いもよらないだろう。

 Microsoftがクラウドを使った多くの技術を提供し始めている一方で、顧客の側に、データとアプリケーションをクラウドの世界に全面的に頼る用意ができているようには見えない。あるMicrosoftの役員は、最近silicon.comに対して、すべてをクラウドで提供するという考え方は「ばかげたもの」で、従来型のアプリケーションとオンラインアプリケーションが組み合わされて利用されるのが、将来の標準的なあり方になる可能性が高いと話している。

 Microsoftのデスクトップ用OSがクラウドベースの製品として提供されるということもあり得ることだけど、それはクラウドコンピューティングが今後どの程度発展するかということと密接に関係してくるだろうね。

 Windowsユーザーは、かなり前からウェブ経由でアップデートを受け取っているし、新OSのアップグレードが近い将来インターネット越しに入手できるようになったとしても不思議はない。Microsoftの次期OSであるWindows 7ではこのモデルに移行することはないだろうけど、その次のバージョンでは、そういう選択肢が提供されるかもしれない。結果としてAzureとも密接にリンクしていく可能性もある。

--それで、Windows Azureは今どういう状況にあるの。

 Microsoft Internationalのソフトウェアおよびサービス部門の責任者であるSteve Clayton氏は、最近silicon.comに対して、「多くの人がAzureをテストしたり、いじり回したりしており、Azureでアプリケーションを構築している人も若干いる。現在はプレベータ段階のようなもので、2009年中には新しいニュースが出てくるだろう」と話している。

 MicrosoftはAzureは現在、「コミュニティ技術プレビュー」として公式に提供されているが、2009年の終わりまでには市販される可能性が高いとしているね。

--それは待ち遠しいな。

 Microsoftもそう思っているだろうね・・・。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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