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セキュリティの懸念高まる産業用制御機器

ベンダーロックインからの脱却:フォレスター、アプリケーション戦略を解説 - (page 2)

大川淳

2009-06-29 21:12

 「まず、戦略を立て、プロセスを改める構想を考える。どこのベンダー(の技術や製品)にするのかは、その次に決めるべきだ。技術的な戦略があって初めて、どのベンダーを選ぶのかという評価ができるからだ」

 製品ありきで特定企業の制約を受けてしまうベンダーロックインに陥ることを避けられることになる。

コスト削減に有効な手段:SaaS、SOA、BPM

Ray Wang氏 Ray Wang氏

 コスト削減策の有効な手段としては、SaaS(Software as a Service)、SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)、BPM(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)などが挙げられる。なかでもSaaSは導入までが短期間であり、企業内のビジネス部門がIT部門に過剰に依存せずにすむことから、その利点は大きい。

 ただし、SaaSさえあれば良しというわけではない。Wang氏は「ビジネス、IT両部門が、よりいっそう互いに協力しなければならない。SaaSは役に立つが、今後も100%がSaaS、100%がオンプレミス(企業内だけのシステム構築)ということはありえないからだ」と話し、「ハイブリッドな環境をつくること」の重要性を説いた。

 こうした考えから、SOAは基盤として最重要な存在だとする。Wang氏は、SOAを用いたウェブサービスの構築を、ピーナッツバターとジャムでサンドイッチを作ることを例にして、次のように説明した。

 「シンプルなサービスであれば、1枚のトーストにピーナッツバターを、もう1枚のトーストにジャムをのせて、それらを重ねて切る。一方、どんなパンにするかというところから選び、ピーナツバターもジャムも有機農法で作ったものにすると決める。さらに、パンを重ねてから、斜めに切るか横に切るか、あるいは9つに切るかということまでを選べる。これは中程度の細分化されたサービスだ。また、パンの焼き方、ピーナッツバターとジャムの比率はどのくらいにするか、この両者を混ざらないようにするなど、たいへんきめ細かな要件に応えられるサービスもある」(同)

 また、BPMについては次のように語っている。

 「BPMは不況に強い戦略の1つだといえる。アプリケーションやシステムを変更するとき、BPMがたいへん有用になる。BPMは柔軟な環境を構築できる」からだ。「BPMはSOAを成功させるためのルールであり基礎だ」と、Wang氏は位置づけている。

メンテナンスをサードパーティーに任せるという選択肢

 「今後は発想の転換が必要だ」とWang氏は語る。たとえば既存のERPは「ベンダーがそれほど迅速に技術革新をしているとはいえない。この分野では、どちらかといえば垂直的な技術革新であり、ビジネスにWeb 2.0のような思想を盛り込むなど、これまでのやり方を変えていかなければならないのではないか」

 システムの維持、保守のためのコストについては、「年に100億円もかかっている例があるが、それを削減して浮いた資金を作れば、ビジネスプロセスの改善やイノベーションに使うことができる」という状況。

 無論、メンテナンスコストは必要だが「コストに見合う価値を得られているか、見直すべき」だという。Wang氏は「近年、サードパーティーを抜きにしては、ビジネス革命は起こらない。サードパーティーがメンテナンスを担うというやり方もある。一方、企業が成長のさなかにある時期であれば、他人任せでなくてもよい。選択肢があることが大事」だと説く。

 Wang氏は「環境が激しく変化しているなか、いまこそビジネスアプリケーションの俊敏性を高め、コストを低く抑え、その余力を革新的な投資に回すべきだ。それには、ベンダーにロックインされることを避け、複数の選択肢をもつようにすることが大変重要になる」と強調した。

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