エンドユーザー部門とシステム部門の認識ギャップを埋めるツールとは
両者のギャップを埋めるツールの要件としては、いまやっていることをそのままの形でシステムに乗せられる表現力。同じく、現状の業務の流れを変えることなく、慣れ親しんだシステムを継続的に使えるシステム連携。プロトタイピングとレビューを時間、場所を問わず、自在に続けられること。既存資産を簡単に取り込み、使えるしくみ。既存システムを変更せずに吸収する疎結合な連携。システムを簡単に分析・評価できることなどが求められるという。
このような要件を満たすものとして、的池氏は、日立製作所の業務ポータル「uCosminexus(ユーコズミネクサス) Navigation Platform」を挙げる。この製品では、業務の段取りをフローチャートで表示できる。これにより形成される、「見える化」された業務画面上から、現在、使っている、レガシーシステム、Webアプリケーションなどの既存資産をそのまま活用するため、これらと連携できるようにするプラグインという仕組みを用意している。
また、実際に利用される画面イメージを、プログラミングなしに迅速に作成でき、レビューの際に指摘される点も、その場で反映して、確認することができるため、エンドユーザー、システム、双方の部門が、密接にやり取りをしながら構築作業をすることができ、エンドユーザー側が、完成したものを見た後に、手直しを要求するというような非効率を回避できる。
さらに、業務ロジックとコンテンツを分離していることから、業務ロジックを変更しなくても、画面遷移や構成を変更することが可能だ。逆に、業務ロジックを変更しても、画面を自由に構成できる。
的池氏は最後に「業務の段取りをシステム化すれば、見える化のプロセスで、業務のやり方の精度は上がり、ノウハウの共有により、個々の力、組織の力が強化され、現場の力が企業の力になっていく。実際に、そのような改善ができれば、業務やシステムのムダや、バックエンドで改めるべき点が見えてくるようになり、全体最適につながる」と述べた。