手順2:適切な論調で訴えかける
目標:顧客との関係を損なわないようにしながら、状況の深刻さを説明する
支払期日を過ぎても支払いがなかった場合、すぐに督促の手紙を送るべきである。Ullery氏は「支払期日になっても支払いがなされていない場合にはすぐに、断固とした姿勢を丁寧な言い回しで明確にしておくべきである」と述べている。同氏は、法律用語を散りばめたり、漠然とした表現を使うのではなく、格式張らないながらも丁寧な文体で、具体的な内容を記述した手紙を書くよう勧めている。手紙の論調は重要である。相手に対しては、問題が金銭的なことだけに留まらず、取引関係も危機に瀕しているということを認識してもらう必要があるのだ。また、判りにくい表現も避けるべきである。他の解釈ができてしまうような文面であってはいけないというわけだ。「既に小切手を送付されている場合には、この手紙を廃棄してください」といった文章も書くべきではない。このような文章は及び腰な印象を与えるだけではなく、送付してもいない小切手を送付したと言うきっかけを相手に与えることにもなりかねないのである。さらに、他の郵便物にまぎれてしまうような、何の変哲もない普通の白封筒を使わないようにするというティップスもある。そういった封筒ではなく、「重要!」と思わせる大きな定形外封筒を使うようにするのだ。
督促状の文例
注意深く言葉を選ぶ
Ullery氏が紹介している督促状の中から、格式張らず丁寧でありながらも、断固とした姿勢を示している例を以下に紹介する(これは抜粋であり、内容は一部変更している)。
支払期限を著しく超過しているにもかかわらず、未だ入金が確認できていない代金について、弊社は今後数日以内に決断することを迫られています。貴社との取引関係が弊社にとって重要であることに変わりはありません。このため、貴社の信用状況に傷を付ける行為や、追加費用を発生させるような行為に至ることは不本意であると考えている点をご理解ください。また、契約書の規定により、未払い代金の回収費用や、法的措置にかかる費用も貴社の負担となることをご確認いただければ幸いです。
この件につきまして、貴社に何度も手紙を送付致しましたが、連絡をいただくことができませんでした。このため、未払い代金の回収を債権取立業者もしくは弁護士事務所に依頼することも検討せざるを得ない状況となっております。とは言うものの、貴社による迅速な行動と、未払い代金の全額支払いが行われることを現在も期待しております。このため、これ以上の措置は、(日付け)まで取らずにおく所存です。
まずは連絡していただく必要があります。連絡をいただけない場合には、貴社と弊社のいずれもが望まない決断を下さざるを得なくなるという点をご了承ください。