#4: Windows XPを改良する手段となる
筆者の意見に異を唱える人もいるだろうが、Windows XPは成熟したOSの域には達していないのである。Windows XPは2001年にリリースされた後、どんどん時代遅れになってきている。しかし、XPモードを用いて近代的なOS内でWindows XPを実行することで、ハードウェアのサポートやセキュリティといった面の改善が可能になるのだ。Windows XPそのものに変更はないものの、XPモード自体がホストOSに依存しているため、こういった利点を享受できるようになるわけである。
#5:Windows XPに対する長期的な技術サポートが保証されることになる
MicrosoftがWindows XPのサポートを継続するかどうかについて、かなり前から疑問の声が上がっていた。Microsoftがメインストリームの技術に対するサポートを打ち切ろうとする度に、顧客は圧力をかけ、それを受け入れるかたちでサポート期間が延長されてきた。同社が顧客からの要望に耳を傾けてきたのは素晴らしいことであるものの、それがいつまで続くのかは明らかにされていない。Windows 7でXPモードが利用可能になることで、Windows XPへのサポートが今後何年も継続されるということが保証されるはずである。
#6:MicrosoftがXPの重要性を公式に認めたことになる
Microsoftはここ数年、顧客に対してWindows Vistaへの移行を呼びかけてきているが、ほとんどの企業顧客はWindows XPを使用し続けることを選択している。しかしMicrosoftは、Windows 7でXPモードを利用可能にすることで、顧客サイドにおけるWindows XPの重要性をようやく認めたのである。そして、10年近くXPを使用してきたXPの熱烈な支持者に対して、同OSを手放すことなくOSをアップグレードできる道を開いたのである。
#7:シームレスな統合が可能である
XPモードで筆者が気に入っている点の1つは、それが完全にシームレスになっているというところである。もちろん、Windows XPを稼働させた本格的な仮想マシン環境内で作業を行うこともできるものの、そうする必要はないのである。実際のところ、Windows XPの仮想マシンを閉じた場合であっても、Windows 7のスタートメニューからWindows XPのアプリケーションに直接アクセスし、Windows 7上に直接インストールされているアプリケーションと同時にシームレスなかたちで実行させることも可能なのである。