伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、マイクロソフト、インテルの協力を受け、「金融HPCラボ」を東京・市ヶ谷に開設した。金融市場でのHPCの普及を目的とした施設で、来年度以降にはクラウド環境を通じたHPCサービスの提供も予定している。
金融HPCラボは、グリッドコンピューティングを活用したHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)を検証する施設。金融機関にHPCリソースを利用できる環境を提供し、本格導入前の検証を支援する。第1号のラボは東京・市ヶ谷で稼働しており、既にユーザーが検証環境を利用しているという。CTCでは10月頃までに同様のラボを2カ所で開設したい考えだ。
金融HPCラボでは検証環境に、Intel Xeon 5500番台のCPUを載せ、マイクロソフトの「Windows HPC Server 2008」を搭載した、日本HPのブレードサーバが提供される。検証環境の規模は1000コアで、今後順次拡張する予定。
CTCでは、この検証環境を利用して金融商品の時価計算やリスク計算など、金融パッケージやライブラリ、モジュールを利用できるとしている。また、リモートからプログラムの修正や環境設定を行うことも可能だという。
CTCは来年度以降、オンデマンドで利用できるHPCサービスも提供する予定。このサービスは、同ラボでの検証をもとにした、金融商品開発のためのR&D環境をオンデマンドで提供するものになるという。
同社では3年後までに、金融HPC分野で15億円の売り上げを目指すとしている。