Microsoftで上位職を務める弁護士が、企業が世界各国で自社の知的財産権を迅速かつ簡略に適用するため、世界共通の特許システムの創設を呼びかけている。
Microsoftの副法律顧問であるHoracio Gutierrez氏は米国時間9月1日に投稿したブログで、出願されたものの審査中のままになっている特許は世界で350万件(うち米国は約75万件)にものぼり、各国にまたがるこの問題に取り組む必要があると主張している。
「ありとあらゆるものが接続され、ビジネスがグローバル化し、協業によるイノベーションが進むこの現代世界においては、単一の特許出願に由来する世界規模の特許が、単一の審査当局によって審査、認定され、訴訟の際も単一の裁判機関によって処理されるべきだ」とGuiterrez氏は述べている。「統一的な世界規模の特許システムが実現すれば、収拾不能までに積もり積もった未処理案件と果てしない未決期間に関する、各国の特許システムへの批判の多くは解消することだろう」
Guiterrez氏はさらに、特許審査ハイウェイや「IP5」(5大特許庁、日米欧の3極特許庁に韓国、中国を加えたもの)の提携といった、特許システムの国際調整に関する試みを称賛している。ただし企業が自社の知的財産を保護するためにはさらなる取り組みが必要だと釘を刺している。
さらに同氏は「問題を直視し、ビジョンを実現し、政治的障害を克服し、手続き上の障害を取り除くことで、世界的な特許システムの構築が可能になる。これが、イノベーションを推し進め、ひろく認識を高め、競争を促し、経済成長と雇用を促進するはずだ」と主張し、「今がその時だ。解決策は手の届くところにある」と述べた。
Microsoftは、テキサス州で同社製品の「Microsoft Word」が特許権を侵害していると訴えられて以降、特許審査のスピードアップを呼びかけている。原告であるi4iの弁護団が出した声明によると、テキサス州東部地区連邦地裁は8月、「Microsoftが、カスタムXMLを含む.XMLファイル、.DOCXファイル、および.DOCMファイル(XMLファイル)を参照可能ないかなるMicrosoft Word製品も、米国内で販売および輸入することを禁止する」終局差し止め命令を出したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ