ネットワーク機器大手のCisco Systemsおよびストレージ大手のEMCは、大企業にテクノロジサービスを提供する新たなジョイントベンチャーの設立で提携する可能性があることが、The Wall Street Journal(WSJ)によって米国時間9月3日に報じられた。
この計画について明らかにした複数の匿名の情報筋の話を引用しつつ、WSJは、「Alpine」というコード名の新たなジョイントベンチャーが大企業をターゲットとしており、Ciscoのサーバやネットワーク機器とEMCのストレージ製品をデータセンターへと配備することに注力すると伝えた。
だが、このジョイントベンチャーの正式な発表時期に関して、WSJは何ら明確に記してはいない。これまでのところ、Ciscoは同推測についてコメントを出すのを拒んでいる。一方、EMCの広報担当はWSJに対してコメントしており、これまでも両社が親密なパートナーシップを築いており、今後もその関係に変わりはないという点を改めて示唆した。
実のところ、これまで数年間に渡って、CiscoはEMCのストレージ製品の再販を手がけてきた。また、Ciscoは、EMC傘下の仮想化ソフトウェア企業であるVMwareの株式も保有している。それゆえ、両社が新たなサービス分野のベンチャーで提携するとしても驚くには当たらない。
さらに、Ciscoはデータセンター市場に攻勢をかけてきた。2009年に入って、Ciscoは「Unified Computing」と呼ばれる新たなデータセンターアーキテクチャの発表を行っている。同アーキテクチャには、Ciscoの新しいハードウェアであるブレードサーバ、ファブリックインターコネクト、ブレードサーバ向けシャーシ、ファブリックエクステンダ、ネットワークアダプタが含まれる。また、Intel、Microsoft、EMC、VMwareなどのパートナー企業からのサポートやソフトウェア統合も協力して提供される。
Ciscoは、データセンター市場に数十億ドル規模のチャンスがあるとにらんでいる。同社は、より多くのサービスおよびコンテンツがオンラインで提供されるようになるにつれて、データセンター内のストレージおよび高速ネットワークへの需要が高まっていくと期待している。さらに、作業の効率化を目指して、多くの企業がデータセンターの仮想化に踏み切るようになっている。
CiscoとEMCは、すでに独自のサービス事業を展開している。WSJによれば、EMCのサービス事業からの売り上げは、2008年に約48億ドルに上ったという。これは、EMCの総売上高の約32%を占めている。
WSJは、Ciscoのサービス事業に関しても、同社の2009会計年度に約70億ドルの売り上げをもたらすものとなっており、総売上高の約19%を占めるまでになっていることを明らかにした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ