Alessio氏はまず、社会やテクノロジの変化に伴って、場所を選ばず、大量の情報に対して容易にアクセスできる「新たなワークスタイル」が顕在化しつつある点を指摘。また、そのワークスタイルを支えるコラボレーションのための手段も、電子メールからインスタントメッセージング、モバイル、ソーシャルネットワークなど、世代によって大きく変化しているとした。
変化する状況の中で、組織としてビジネスの効果を最大化するにあたり、最大のボトルネックとなっているのが「サイロ化された組織と硬直したITシステム」であるとする。周囲の状況やワークスタイルの急速な変化に対応できる「柔軟性」をビジネスに持たせるためには、テクノロジの選別とその構築方法が重要であるとする。キーワードとなるのは「プロセス」「コラボレーション」「SOA」「ビジネスモデル」である。
IBMが提唱する「Smarter Collaboration」においては、これらのキーワードをITによって具現化することで、経営者層がビジネスにおいて関心を寄せる「ステークホルダーとの関係強化」「ワークフォースの生産性向上」「イノベーションの促進」そして、これらを実現しながらの「コスト削減」といった課題への解決策を提供できるとする。
Alessio氏は、IT設備の集約とソフトウェアのモダン化により、年間160万ドルのTCO削減と20%のコラボレーション環境の運用コスト削減を実現した米国製造業の事例、BtoBポータルとLotus Sametimeの導入により、ビジネスパートナーとのコミュニケーションを劇的に改善した「いすゞオーストラリア」の事例、世界各国の拠点に勤務する約1万6000名の従業員向けにLotus Connectionsを用いたソーシャルネットワーキング環境を構築し、イノベーションを生み出す基盤を築いたファイナンス会社での事例などを紹介。「Lotus、WebSphereブランドをはじめとするIBMのテクノロジとノウハウが、変化するワークスタイルに、柔軟かつ迅速に対応するための基盤を提供できる」とし、講演を終えた。
