企業に属する一般的な社員のほとんどは、ファーストレベルマネージャー直属の部下であり、ファーストレベルマネージャーの判断が、売上やコスト、品質、モチベーションなどに直接影響を及ぼしているためだ。
しかし実際には、その重要性が自覚されず、周囲も見逃してしまっているケースが多い。
重要性は認識されず疎外感さえ覚えている?
組織の規模が大きいほど、ロワーマネジメントであるファーストレベルマネージャーは、マネジメントの中での自らの重要性を自覚できない傾向がある。場合によっては、疎外感さえ感じることもあるようだ。
そう感じている人の多くは、自分の上司であるミドルマネジメントに対して不満を抱えているという。その理由は、自分の判断あるいは意思決定が、どれだけ経営に貢献し、そのことが実際にどれほど評価されるのかを、ほとんど実感できずにいるからだ。
ファーストレベルマネージャー自身が、組織において戦略を実現するために貢献していること、そして戦略実現のエンジンとなっていることを自覚できたとき、意欲は高まり、持てる潜在能力は発揮される。その結果として、好業績につながることは、多くの経営者が理解しているはずなのだが、溝はなかなか埋まらない。
そこでファーストレベルマネージャーが満たしていると好ましいとされる要件を挙げてみよう。
こうした要件を満たすにあたり、ファーストレベルマネージャーの自助だけでは困難である。戦略の理解、社員の業績管理のスキル、コミュニケーションのスキル、モチベーションマネジメントのスキルなど、ファーストレベルマネージャー向けの教育研修も欠かせない。