リアルタイムの資金管理が課題
アビームでは、Abeam GCPSの導入だけではなく、業務プロセスや組織に関する改革構想の策定やビジネス設計、PDCAによる評価改善なども支援するとしている。
また、ユーザー企業が導入に関する検討を進める上で費用対効果や実現可能性などの点で不安がある場合には、短期間・低コストでできる“クイック診断”を提供する。クイック診断で大まかな効果試算による部門予算範囲での見通しを行ったあとで、構想策定に進むことができる。クイック診断の価格は約300万円としている。
アビームが複数の日系グローバル企業に調査し、資金管理や財務リスク管理、出納管理の面で課題と傾向を分析している。企業によって取り組みと課題はさまざまだが、日本にある本社の統制下で「外部環境の変化に俊敏に対する」「グローバル財務管理体制の確立」「業務の高度化」が、多くの企業にとって“あるべき姿”であることが判明したとしている。特に資金管理については、グループ連結ベースで有利子負債の削減、支払利息の削減など実利が得られる取り組みであることから、本社の財務部門にとっては優先課題になっているという。
複数の企業からなり、グローバルに拠点を展開する企業にとっては、グループ全体で滞留資金とムダな外部借入を削減するためには、グループ企業の入出金予定を把握して、グループ内でタイムリーに資金融通を行うことが有効な手段だ。そのためには、各企業の正確な入出金予定情報を短いサイクルで収集、各企業の直近の銀行口座残高をリアルタイムに収集することが期待されている。
しかし、海外拠点の多い企業グループの場合、取引銀行の数が多く、口座情報を全体的に収集すること、統一した財務システムを導入することは費用が高く、業務負荷も大きいことから、なかなか実現できない課題として意識されている。アビームの今回のソリューションパックは、そうした課題に対応するものとして提供される。